↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/9

数日

残酷な描写が含まれています。


浅木「は、??」


浅木はショックで目を大きく見開いた。


ゆか「、、あのね、元々僕、体が脆いでしょ、?


だから、最初から16までしか生きられなかったんだ。」


僕は平常心を保って話し続ける。


浅木「、、、、んで、


なんで早く言ってくれなかったんだよッッ!!」


浅木は僕の肩を掴む。


ゆか「い”たっ、、!」


先生「落ち着いてくださいッ!!彼女の体は本当に脆くなっているんです、!!」


浅木は深呼吸をして、俯いて話す。


浅木「お前とやりたかったこと、、まだたくさんあるのに、、、」


小さくて、今にも消えそうな声でつぶやいた。


ゆか「、、ごめん。」


浅木「、、、、」


浅木は何も言わずに病室から出て行ってしまった。





ゆか「、、先生、お願いがあるの。」


先生「、、、なんですか。」


浅木side


なんでもっと早く言ってくれなかったんだ、、!!


俺が、、俺が異変に気づいていれば、!!


もっと早く、、


俺は自分の部屋でうずくまる。


夜10時、夏にしては比較的涼しい夜だった。



??「、、浅木」


聞き覚えのある声が窓の外から聞こえた。


浅木「、、、白崎、、??」


また幻聴かもしれない。


だが、本当に白崎かもしれないと淡い期待を抱きながら窓を開けた。


すると、窓に寄りかかって笑っている白崎が見えた。


浅木「お前、、どうして、、」


ゆか「えへへ、先生にお願いしちゃった。」


白崎は茶目っ気のある笑みを浮かべながらそう言う。


ゆか「、、僕の最後の1週間、やりたいことがあるんだけど、、いい?」


浅木「、、もちろん。」


翌日 7月◯日


ゆか「浅木!!こっちこっち!!」


白崎と俺は駅前で待ち合わせをしていた。


浅木「わりぃ。待った、?」


ゆか「全然待ってない!!むしろ楽しみすぎて早く来ちゃった!!」


白崎はにっこり笑った。


ゆか「早く行こ!!」


冷たいゆかの手が俺をぐいぐいとひっぱる。



今日は白崎の好きな服屋の新作が出たらしく、それに付き添う事になった。


ゆか「ここだよっ!!」


そういって服屋に入っていく白崎。


店内は冷房が効いていてとても涼しかった。


ゆか「浅木、これとこれ、どっちが可愛いかな?」


白崎は紺色のワンピースと、灰色フリルのワンピースを見せてきた。


浅木「、、どっちも買ってやるよ。」


ゆか「えっ?!いいよいいよ!!付き添いで来てくれたのにそんな、、!!」


浅木「すみません、これください。」


店員「かしこまりました。」


俺は白崎の言葉を無視し、洋服を買った。


ゆか「、、なんか、ごめんね。ありがと!!」


白崎は紙袋を持って微笑んだ。




7月△日



浅木「、、白崎まだかな、、」


今日は猫カフェでゆっくりしたいと聞いた。


カフェの内装はとてもアンティークで、愛らしい猫がたくさんいた。


カランコローン


ゆか「ごめんー!!待ったよねっ!準備に時間かかっちゃって、ふへへ、、」


白崎は頭をかきながら謝る。


浅木「、、、全然待ってねぇから、ほら、座れ、」


向かいの椅子を指さした。


ゆか「ありがとー、、あ、猫さんかわいいね。よしよし」


浅木「初めて来たな、、こういう場所。」


ゆか「猫さんって癒されるよねー、、」


店員「お待たせしました。猫型パンケーキです。」


そういって店員さんはふわふわであったかそうなパンケーキを白崎の近くにおいた。


ゆか「わぁ、、!!かわいい!美味しそうっ!!」


浅木「、、、」


俺は白崎が食べているパンケーキを見つめながらドリンクを飲んだ。


ゆか「、、、何飲んでるの、?」


浅木「え?ベンティアドショットヘーゼルナッツバニラアーモンドキャラメルエキストラホイップキャラメルソースモカソースランバチップチョコレートクリームフラペチーノ。」


俺は一息で答えた。


ゆか「うぇ、、甘そ、、幼稚園の頃から甘党は変わらないんだね、、」


浅木「お前こそ、酒のつまみ大好きなのは変わらないんだな。あとやべぇ食べるのも。」


ゆか「、、ふふっ、」


7月◎日



ゆか「ふんふふーん♪」


今日は僕が人生で1番楽しみにしていた日だ。


浅木「わりぃ、待った、?」


ゆか「ううんっ!!待ってない。」


今日は、2人でお出かけじゃない。


りん「ゆかー!!」


りんが飛びついてくる。


ゆか「わわっ、、!!」


今日は四人で水族館に行きます。


浅木は高校で話しかけてくれた男子を連れてきてくれた。


いと「あ、、えと、、」


りん「ゆか!!こいつは河井いと!」


ゆか「あ、、えっと、、」


僕は慌てて浅木の後ろに回る。


浅木「、、??」


ゆか「し、白崎、です。」


僕は河井くん、、?に軽く会釈をした。


りん「ほらっ!!電車きたよ!」


りんはそう言って僕の腕を引っ張った。


ガタンゴトン、、、


いと「、、、」


なんかずっとこっち見てくるんですけど何この人


ゆか「えっと、、なに、?」


僕は恐る恐る聞く。


いと「いや、、、あの、言いにくいんだけど、、」


ゆか「え、?」


いと「、、、、浅木のこと、、好き?」


小声で聞かれる。


ゆか「?!?!?、、ど、どうして、?」


僕は驚いて質問を質問で返してしまう。


いと「いや、、なんか、雰囲気で。」


なに雰囲気って!??!?


ゆか「、、そういうの、わからないんだよね。」


幼少期の頃軽い気持ちで婚約したなんて口が裂けても言えないッッッ!!!


ゆか「それに、、僕は明日もう、、、、」


いと「、、明日、?」


ゆか「、、ううん、なんでもない。」


しばらく沈黙が続いていると、終点になった。


りん「ついたよ!!ほら!!」


力強、、腕折れちゃう、、


ゆか「あはは、、はぁ、、」


僕は苦笑いしながらりんについて行った。


水族館の中に入り、りんのテンションがピークだった。


りん「すごいすごいっ!!なにあれ!」


ゆか「アシカだね。歯が黒いんだよ。」


浅木「歯、、か。」


浅木はなんだか思い出したくないことを思い出してしまったような顔をする。


いと「朋紀?どうしたの、?」


浅木「いや、、」












麗華「あたしぃ、いま金欠なんだよね。」


クラスの男子に押さえつけられている俺に話す。


浅木「、、、、」


麗華「だからさぁ、、」


麗華は先がぎらぎらと光っているペンチを取り出した。


麗華「歯、一本頂戴??」


浅木「なにいってんだよ、、?」


麗華「はーいみんな抑えて〜」


男子たちは俺を抑える力を強くする。


そして手ぶらな男子が俺の口を無理やり開ける。


浅木「ふぁ、、やだっ、、」


俺は必死に抵抗したが無駄だった。


金属の冷たいものが口に当たる。


奥歯が引き抜かれようとしている。


浅木「い”っ、、、ぅ、」


麗華「ひー。こりゃかってぇな、、」


そうつぶやきながら必死に引き抜こうとしている。


浅木「ぁ、、が、」


歯茎と歯の隙間から血が溢れる感覚がする。


ググッ、、、


麗華「んしょ、っ、!!」


思いっきり引き抜かれた奥歯は、想像を絶する痛みで、声が出なかった。


浅木「ーーーーーーッ?!!?」


俺は口を押さえてうずくまった。


痛い。痛い痛い。


口から血がどろどろと流れてくる。


麗華「ありがとー☆これで今月はどうにかなりそうだわw」


そう言って麗華は袋にかつて俺の奥歯だったものを入れて立ち去る。










浅木「、、そんなこともあったな、」


浅木が突然小さな声でつぶやく。


ゆか「、、どうしたの?」


浅木「、、なんでもない。」


りん「はやくはやくー!!他の場所も見よ!」


りんが駆け足で次のコーナーに移る。


クラゲのコーナーだった。


りん「クラゲって幻想的だよね〜」


りんがクラゲを見つめて言う。


いと「やばい、、俺喉乾いてきた。」


りん「まじ?でもここ飲食禁止だし、、ごめんゆか!!ウチ等ちょっと外出て待ってるね!!」


ゆか「ぁ、、うん、わかった。」


そう言って2人はそそくさと退館場所へ向かった。


浅木「、、、、、」


浅木は無言で水槽の中のクラゲを見つめている。


ゆか「、、クラゲの種類でもね、不死身のクラゲもいるんだって。」


浅木「、、そうなのか。」


ゆか「、、僕もクラゲだったらなぁ、、」


浅木は少し気まずそうに僕を見る。


浅木「正直、実感湧いてねぇ。」


ゆか「、、??」


浅木「、お前が明日死ぬってのが。」


ゆか「、、そっか。僕もないや。」


2人は再び沈黙に飲まれる。


浅木「、、、明日、絶対病院行くから。」


ゆか「、、、本当?嬉しいな。」


微笑んだ瞬間、左胸が急に痛くなった。


ゆか「ゔっ、、?!」


僕はしゃがみ込む。


浅木「白崎ッ、、!!」


ゆか「ぅ、、、」


浅木は慌てて携帯を取り出し、救急車を呼んだ。


ぁ、、やばい、、意識飛ぶ、、











ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


10輪「アイビーの栞」




ピッ、、、ピッ、、、


一定のリズムで心電図の音がなる。


俺は病院のマナーをガン無視して、白崎の病室のドアを思いっきり開けた。


浅木「ッ白崎!!!」


白崎はベッドに横たわっていて、呼吸器や点滴や色々体に管がつながっていて、苦しそうだった。


白崎の片手には、1枚の栞が握られていた。


ゆか「ん、、」


白崎がゆっくりとまぶたを開けた。


浅木「はっ、、はぁっ、、白崎ッッ!!!」


ゆか「ぁ、、浅木、、」


ゆかは嬉しそうに微笑んだ。


浅木「死ぬなっ、、、死ぬなよ、!!まだ、、






まだやりたいこと、、たくさんあるから、、、」


俺は白崎の冷たい手をぎゅっと握る。


ゆか「、、僕も、やりたいことたくさんある、、よ。」


浅木「、、、あぁ、、、だから、、死ぬなよ、、っ、、、」


ゆか「、、、今までありがと、、、











、、、、、もっと一緒にいたかったなぁ、、」


白崎の頬に1つの涙が伝う。


浅木「っ、、俺だって、、!!俺だって一緒にいたいっ!!だから、、!!お願い、!」


俺は殆ど動かない白崎を抱きしめる。


ゆか「、、浅木、、でも、、、、、無理、、ぽい、、」


ピ、、、、、、、、ピ、、、、、、、、、


次第に心電図の流れる速度が遅くなる。


浅木「だめだっ、、、白崎ッ、、、!!!」


ゆか「、、浅木、、、ありがと、、、、」


白崎は弱々しく俺を抱きしめ返す。


ゆか「ねぇ、、、約束、、してくれない、、??」


白崎は揺れる声で俺に聞く。


浅木「、、何っ、、、何だって聞く、、」


ゆか「、、、、

























































来世でも、、お嫁さんにしてくれない、、??



そう言って白崎のまぶたがゆっくりと落ちていく。


浅木「っ、白崎っ、、、!!!!」


ピーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−ーーーーーーーーーー


心電図の音が一定になる。


浅木「白崎っ、、、!!!」


俺は初めて涙を流した。


殴られても、蹴られても、犬扱いされても、歯を抜かれて売られても、泣いたことなんて、一度もなかったのに。


浅木「ぅ、、あ、、俺はっ、、、



まだ伝えてないのにっ、、、」


もっと早く言えばよかったのに。


もっと、、恥ずかしがらないで、、







「好き」って言えたら良かったのに、、、


浅木「ぅあ、、、あ”あぁ”っ、、、ぁぁ”ぁあ”あ”、、、、」



俺は白崎を抱きしめながら大泣きした。


白崎は、俺たちが最初に行った海の匂いがした。


白崎は死ぬまで、































ずっと俺が渡した栞を握りしめていた。










評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。