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戦闘スキル無しの元・狂戦士 ~案内人は最短の矢印で最強の異世界騎士団を導き現代ダンジョンを無双する~  作者: くるまAB
第4章:過去と未来の遊戯盤

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92. 集結する戦力

「お前は――」


「せや、ワシがバーニングオクトパスの――」


「細目のゾンビ野郎!」

「たこ焼きゾンビさんです!」

「槍ゾンビであるな!」

「男のくせにウルサイたこ焼き……あとゾンビ」

「…………」


「ちょいまてーや! 全員が違う悪口いうなや! ツッコミが間に合わんやろがい! 優しいのはメイドのねーちゃんだけやぁ」


 オグリ家騎士団総出の悪口に、木森はツッコむ事も出来ず唯一無言だったノーラに泣きつく。


「いえ。 いま口を開けば、最も辛辣な言葉を吐いてしまいそうだったので沈黙したまでです」


「なんでやぁ~、ワシの拠り所はどこにあんねん」


 ノーラのトドメに木森は四つん這いになり、地面に伏する事となった。


「効果はばつぐんのようですね」


 木森の態度にノーラは気を良くしたのか、人差し指でメガネをクイッと上げ微笑む。


「皆そう言ってやるなよ、悠馬も戦力が増えるのは歓迎だろ?」


「すまん、悪ふざけが過ぎた。 だがまぁ淳の言う通りだな、ゾ――木森。力を貸してくれ」


「いま、自分ゾンビ言いそうになったやろ。 って――まぁええわ、任されたるわ」


 そう言って両者は握手をする。

 これで残す方角は1箇所――。


「さてと、あと1チームは欲しい所だけど……」


「それならワシの知っとるチームがあっちにおる、声かけてこよか?」


「それは助かるが、実力は問題ないのか?」


「それなら問題あらへん。ワシらと同じ特級パーティーや、実力は折り紙付きやで!」


「そうか、なら頼む。因みにパーティー名が――『バーニングライク』とかじゃ無いよな?」


「なんでわかったんや! アイツら関東で有名なんか!?」


 悠馬は「やっぱりか」と額に手を当てる。


「悠馬お兄さん、なんで名前分かったんですか?」


「アリスお嬢様。大阪グルメの代表格といえば、たこ焼きと――お好み焼きです」


 ノーラの説明にアリスを除く、その場にいる全員が吹き出す。


「ちょ、自分ら感じ悪いで! ワシら兄弟パーティーなんや、相方を笑うとか失礼やろ!」


 吹き出す面々、怒る木森、そしてピンときてないアリス。

 相変わらず騒がしい集団に、周囲は何があったとどよめいている。


「チッ! もうえぇわ、とりあえず声かけてくるから、お利口さんで待っとるんやで! どっかいくなよ、ってフリちゃうからな!」


 ぶつくさと文句を言いながらも、木森はバーニングライクの居る方へと歩き出す。


 木森の去った後、悠馬達は軽いブリーフィングを行う事にした。


 ――――


「上手く行けば特級パーティーが4チームか。これなら問題なく調査できそうだな」


「ん? 悠馬達も特級パーティーなのか?」


「淳、俺達をなめんなよ。って、特級になったのは最近なんだけどな」

「それでも凄いじゃない! 良いメンバー達なのね」


「あぁ、俺には勿体ないくらいだよ」


 そう言って、メンバーを見る悠馬の目は優しさを宿していた。


「悠馬やっぱり変わったみたいね。もちろんいい方向に!」


「ありがとう。そう言ってもらえると助かるよ」


「してユーマよ。これからどうするのだ?」


「そうだな。とりあえずは各パーティーで東西南北の一箇所を担当し、直線的に調査を行う」


「なんで直線的なんだい? 調査なら弧を描くように動いた方が、情報量は増えるはずだよ」


「ヴィの言う通りだ。だが、今回は3日と時間がない。それに情報通りだと外周まで数十キロあるはずだ」


「なるほど。悠馬様はボスと接敵するまでの距離を知りたい。と」


 ノーラの説明に悠馬はコクリと頷く。

 

「そうだ。闇雲に周囲を探すより、まずは目的地までの距離と時間を図る。それで戦闘や移動に費やせる時間を算出し、戦略を練ろうと思う」


「たしかに悠馬の案が一番かもしれないな。昔から戦略やらはお前の担当だったし、そこは任せるよ。案内人さん、いや――『さすリー』さん」


「お前……聞いてたのか」


「あんな大声だしてりゃ嫌でも聞こえるったもんよ、なぁ優紀」

「そうね。アリスちゃん声ってすごくキレイだから、遠くまでよく聞こえるのよ、知らなかったの?」


「えっ! 私の声キレイですか!」

「えぇ。とてもキレイで可愛らしいわよ、まるで鈴が鳴ってるみたい」


 両手を自分の頬にあて、照れるアリス。

 そして、アリスの急旋回するアホ毛を眺める優紀との間に、ノーラが割って入る。


「ノーラさん? 一体どうし――」


 ノーラは優紀の手を両手でガシッと掴む。


「優紀様。アリスお嬢様は可愛い、そう仰るのですね?」

「そ、そうね。とても可愛いと思うわ」


「有難う存じます。ようこそ『アリスお嬢様同好会~日本支部~』へ、こちら会員証となっております」


 ノーラは素早い動きでカード型の会員証を優紀へ手渡す。


「えっと……ナンバー2? 他にも誰か居るのかしら……」

「もちろんです。 メンバーには望海様が名を連ねていらっしゃいます」


「望海って、管理局の?」

「その認識で間違いないかと」


 そんな会があったのかと悠馬が呆れていると、木森が戻って来る。


「おーい! おまっとさんやで! 約束通り相方連れてきたわ」


 木森の後ろにはもう1つの集団が着いてきていた。

 先頭を歩くのは、木森と同じ様な革鎧を着た女性のようだ。


「なんでアンタが偉そうにしてんねん! どーも『バーニングライク』のリーダー、火神鶴かがみつるていいます。よろしゅーに」


 火神は薙刀を肩に乗せ、悠馬に手を差し出す。


「宜しく頼む。すごく個性的な髪型だな」


 悠馬の言う通り、火神は右サイドを刈り上げており、オールバックにした髪は3色で染められていた。


「おお! これの良さが解るか! これな色に意味があんねん、まず赤なんやけど――」


「い、いや! その話は今はいいよ! 時間無いし今度聞かせてもらう事にするよ」


「そうか? 残念やな……」


 しょんぼりする火神を他所に、悠馬はその場の全員に向かって話し始める。


「これで4チーム揃ったな。さて――攻略を始めようか」

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