#4. 第壱章後半の世界観とその設定の解説
本作の世界観とその設定が複雑なので、
解説を加えることにしました(2022/07/24)。
ここでは、第壱章のうち、第15話以降の異世界三日目を、
便宜上、第壱章後半と呼ぶことにする。
前回の解説では、廃駅や未成線を元ネタにした、
架空鉄道の設定について、熱く語ってみた。
やはり、地元民でも無い限り、地理的な感覚が
掴めないという可能性があるので、今度は、
道路についても解説を加えた方が良いだろうか。
実際は、現実とは似て非なる異界なので、細かい違いはあるのだが。
正月の駅伝で有名な、国道1号線は、「第二京浜」とも呼ばれ、
旧東海道をその前身とする。日本橋は、国道1号、国道4号、国道6号、
国道14号、国道15号、国道17号、国道20号の起点でもあり、
日本国道路元標が設置されている。
この世界では、【壱番道路】と呼ばれ、主人公と常井氏は、
国道1号線における、日本橋→日比谷→白金高輪→五反田
→戸越→中延→馬込という径路を徒歩で南下したことになる。
第弐章第26話にて、この世界には、携帯電話、自動車、テレビに
相当するものは、存在していないことが、常井氏により明言される。
その分、鉄道網が発達しているが、現実の路線よりは少なく、
径路も異なっているという世界観の異界である。
それでも、鉄道網が発達している分、中世ヨーロッパ的な
世界観よりは、交通の便に関しては上回っているだろうが。
――――――――――――――――――――――――――――――
国道1号線が、「第二京浜」だというのなら、
「第一京浜」という道路もあるに違いない。
「第一京浜」は、国道15号線のことである。
「第三京浜」もあるが、これは有料道路である。
国道15号線は、この世界では、【伍番道路】と呼ばれるが、
作中での登場は、第漆章第71話にて、主人公達が
【七辻】を検証する時まで、出番はない。
五反田にて、国道1号から分岐する、中原街道は、
丸子橋で、綱島街道と交わる。両者を合わせて、
『東京都道・神奈川県道2号東京丸子横浜線』
とも呼ぶらしい。本作では、これを【弐番道路】とした。
本作では、国道246号線を【肆番道路】としている。
世田谷通りは、三軒茶屋にて、この国道246号線から分岐し、
『津久井道』、『鶴川街道』を経て、町田へと至る。
この径路を『東京都道・神奈川県道3号世田谷町田線』
と呼ぶらしいので、本作では、これを【参番道路】とした。
【陸番道路】は、国道16号線の八王子~つきみ野辺りを想定している。
また、環状七号線、環状八号線をそのまま、
【漆番道路】、【捌番道路】とした。
環状七号線と環状八号線には、メトロセブン、エイトライナー
という地下鉄の構想が存在するので、
「東京山手急行電鉄」の西側部分と混ぜて、
【第漆號地下鉄】、【第捌號地下鉄】とした。
さらに、川崎から日野までの国道409号線、府中街道、川崎街道を
【玖番道路】とし、国道20号線を【拾番道路】とした。
他にも、川崎市営地下鉄やタウンライナーと呼ばれる
8の字モノレール、「相武電気鉄道」といった未成線を
元ネタに架空鉄道を考えてみた。
自動車が存在していない世界観の異界なので、
『東名高速道路』の径路も少しずらして、モノレール化してみたが、
その詳細は、第弐章第27話に加筆してある。
【上馬】駅で、【第漆號地下鉄】と乗り換えられ、
【瀬田】駅で、【第捌號地下鉄】と乗り換えられ、
【犬蔵】駅で、川崎市営地下鉄と乗り換えられる、この路線も重要度は高め。
――――――――――――――――――――――――――――――
主人公と常井氏の関係について。単純に、師弟関係とすると、
学費とか、授業料の問題が発生するだろう、ということで、
この世界では、弟子兼部下のことを【使徒】と呼ぶことにした。
この世界は、儒教思想に汚染されていないので、
上意下達の窮屈な関係ではないし、師がボケて、弟子がツッコむ、
という伝統や文化もあり、それは、主人公と常井氏、
常井氏とブルクドルフ氏の会話にも反映されている。
現実世界でも、儒教と資本主義は、水と油の関係であり、
その不協和音こそが、「エネルギーヴァンパイア」や
「努力教」を生み出す原因ではないだろうか。
――――――――――――――――――――――――――――――
妖怪に関しても、幾つか補足を加えておこう。
余談だが、『代田』という地名は、
ダイダラボッチの足跡に由来すると言われているらしい・・・。
これが、【代田ラボッチ】の元ネタである。
一方、鵺の方は、本文中の説明にある通り、
最近、古生物学の新たな説として、大型のレッサーパンダではないか、
という説があるらしい。現存種とは別の絶滅した種らしいが、
本作の世界観では、鵺をレッサーパンダと同一視して、
マスコット枠にすることにした。レッサーパンダの鳴き声は、
動画サイトで一応見たけど、擬音語で表現するのは難しい。
史実の「陰陽師」とは明確に区別するため、本作の世界観では、
害獣の駆除の専門家として、【陰陽術士】という職業を設定した。
――――――――――――――――――――――――――――――
ここで、ブルクドルフ氏と再会する。
再会場所である、政治結社【草茅危言】の基地の
住所は、橘樹群稲毛領稲田町という旧地名で、
宿河原不動は、廃駅の名前を元ネタにしている。
「黒い猫でも白い猫でも鼠を捕るのが良い猫だ」と言う意味で、
政治結社【草茅危言】は、右翼でも左翼でもない、
【垂直尾翼】の政党である、とした。
この元ネタは、飛行機に準えている。
量子力学で、光や電子が、粒子でもあり、波でもある、
というのは、20世紀前半の考え方であり、最近の考え方は、
光や電子は、粒子でも波でもない何か、である。
同様に、【垂直尾翼】は、時に極右的に振る舞い、
時に極左的に振る舞うが、極右でも極左でもない政党なのだ。
黒と白の斑模様の猫でも、灰色の猫でも、
鼠を捕るのが良い猫であるのと同様に。
この異界の職業は、現実を他山の石とし、反面教師にしている。
この世界で、行政に携わる者は、難関の資格試験を突破し、
政治士の資格を取得する必要がある。
【魔術士】と【魔導師】という用語を厳密に定義したことは、
以前に#1.で述べたとおりだが、この【魔導師】は、
教員免許に準えて、【魔術士】を育てる職業とした。
第19話は、ブルクドルフ氏視点の外伝である。
この外伝には、件のこの異界の最重要路線を登場させる
ことにしたため、本作冒頭部分をブルクドルフ氏視点で加筆した。
現実世界寄りの異界駅が読みたい人向けの短編はコチラ
→「白昼夢に現れた異界駅」
次回、「#5. 第弐章前半の世界観とその設定の解説」を予定。
更新日時等は未定。




