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別次元の領域(2021年版)  作者: 草茅危言
【資料】本作の世界観とその設定の解説
114/120

#3. 第壱章前半の世界観とその設定の解説

本作の世界観とその設定が複雑なので、

解説を加えることにしました(2022/07/03)。

ここでは、第壱章のうち、第11話から、第14話までの

異世界二日目を、便宜上、第壱章前半と呼ぶことにする。


秋葉原と対になっている、荒脛巾(アラハバキ)

神保町(じんぼうちょう)と対になっている、【神代古書店街】。

それなら、日本橋と対になっている【二本橋】があっても良いだろう。


大皇(おおきみ)が買い取った、「量子力學・壱」の古書は、

主人公が、宿屋で就寝している頃、第参皇児(だいさんおうじ)の常井氏の手に渡る。


彼は、序盤の導入部分としての世界観を説明する、

案内人の役割を担うわけだが、この役割は、

既に、ブルクドルフ氏→大皇(おおきみ)→常井氏

という順で引き継がれており、以前の二人と同様、

その濃い人物像を描写することになる。


手荒な方法で、主人公を拉致し、妄想癖認定され、

魔術の基礎を主人公に示した、ブルクドルフ氏。

説明は分かり易いが、それでも色々と説明が足りないことも。


落ち武者のような外見の大皇(おおきみ)

親切だが、若干、時代認識がズレている気もする。


常井氏は、黒髪長髪、痩身にして長身、年齢は三十歳(みそじ)過ぎぐらいだが、

眼光の鋭い巨漢であり、ロシア帝国末期の怪僧ラスプーチンを

思わせるような容貌。大皇(おおきみ)複製(クローン)なので、

その外見は、彼に似たのだろう。余談だが、怪僧ラスプーチンの

身長は、193cmもあったらしい。大皇(おおきみ)に【陰陽術】を教わり、

青年期は、【陰陽術士】として、各地の魔と戦ったという・・・。


一方、理知的な話し方等、その雰囲気は、【魔導科学】の

家庭教師だった、(マイスター)ブルクドルフ氏に似たようだ。

【魔導科学者】としても研究を重ね、【政治士】や【魔導師】の

資格も取得し、教育行政に関しては一任されるようになり、

文部卿、【登戸研究所】所長、及びその付属学校である、

暗黒学問塾(シャドウ・アカデミー)】学長等を兼任し、

貫禄のある外見からは、殺気にも似た威圧感を放つ・・・。


しかし、勿論、以前の案内人の二人と同様、完璧な人物とはいえない。

本の虫、観光気分、マッドサイエンティスト、双子の兄達への劣等感、

無人大陸の発見者だが、発見時の転移失敗の心理的外傷(トラウマ)を抱えていたり、

主人公達二人を弟の様な存在だと思っていたら、

その戦闘民族的な側面を見て、ドン引きしたり・・・。


そんな彼は、この異界出身の地元民ではあるが、出番も多く、

第三の主人公とは好敵手(ライバル)関係にあることから、

物語の作中では主人公達一行に続いて、

準主人公級の存在感を示すことになる。


――――――――――――――――――――――――――――――


そんな常井氏に案内されて、次の舞台である、

日比谷と対になっている【罅谷】へ。


ここには、現実世界とは異なる【象牙の塔】という、

中空円筒状の塔が存在し、異界感を演出している。


RPGゲームのダンジョンで地下何階とか頻繁に目にするけれども、

実際、現実の世界では、地下何階ぐらいまで存在するものなのか、

気になって、以前に調べたことがある。


その結果は、地下階数では、国立国会図書館の書庫に「光庭」という、

地下8階で最下階ということになるが、通常は立ち入り禁止なので、

現実的に行くことが可能な場所としては、都営地下鉄大江戸線の

六本木駅ホームの地下7階相当が最下階であるといえるだろう。


というわけで、図書館ダンジョンを登場させるとしたら、

本の虫、学者、研究者、閉鎖的な学問の世界、という連想から、

【象牙の塔】という名称で、最下層は、地下8階とした。


ダンジョンなら、最深部【光庭】では、ボスが待ち構えているだろう。

地下8階なので、八に関連した存在、八咫烏、八岐大蛇(やまたのおろち)

他にも、足が八本なので、蜘蛛や蠍や蛸も候補に挙がったが、

天狗に関係する高尾山は、八王子にあるので、そちらを

八咫烏と烏天狗を合体させた、【八咫烏天狗】の棲息地とし、

こちらには、神話級の存在として、【八岐大蛇(やまたのおろち)】を

登場させることにした。


八岐大蛇(やまたのおろち)】は、作中では、造物主、【悪魔】3柱

に次ぐ強さを持つ。その次が、大皇(おおきみ)である。

千年を超えた存在は別格であり、その他とは

隔絶した強さを持つ。彼らとは大きな差があるものの、

各国の重鎮達、幹部級は、条件次第で変動こそするが、

やはり戦闘力上位に入るであろう。


八岐大蛇(やまたのおろち)】の加護として、

主人公も蛇語を解すること等が可能になった。


常井氏の(ドラゴン)(りゅう)に関する講義の中に、

第三の主人公の種族、【マンティコアノイド】の伏線がある。


――――――――――――――――――――――――――――――


現実世界では、国道1号線と呼ばれる、【壱番道路】を南下する。

こうした道路等も、両世界間では一応、対応関係にはあるものの、

完全に径路が一致するわけではなく、分かり易さ等の都合により、

改変している部分も多い。両者の差異も異界感の演出で片付けている。


【象牙の塔】以外にも、異界側にしか存在しない場所として、

【荏原三角商店街】と【蛇窪遺跡】を登場させてみた。


電気街の秋葉原や、古書店街の神保町の知名度は高いが、

地元民でも無い限り知らないような場所には、解説が必要だろう。


武蔵小山、戸越銀座、中延は、どれも商店街であり、

武蔵小山と中延は、アーケード街となっている。

戸越銀座は、何かの番組で見たが、コロッケが名物らしい。


戸越村、下蛇窪村、上蛇窪村、小山村、中延村で構成される、

この辺り一帯は、かつて荏原区と呼ばれていた。

【荏原三角商店街】と【蛇窪遺跡】の名称はここから拝借した。


やがて、上蛇窪と下蛇窪は、上神明と下神明に置き換えられ、

さらに、現在は、豊町、二葉という地名に変更されている。


蛇窪という地名は、品鶴線の廃駅である、

蛇窪信号場等に残っていたが、本作の【蛇窪】駅は、

【壱番道路】―国道1号線―と、【漆番道路】―環状七号線―が

交差する、『馬込』の位置に移動させた。


同じく廃駅が元ネタである、【万世橋】駅や【新奥沢】駅を

通る鉄道があったら、便利で面白いかも知れない。

【万世橋】駅は秋葉原にあり、【新奥沢】駅は、

【弐番道路】―中原街道―と、【捌番道路】―環状八号線―が

交差する、『田園調布』の位置に移動させておく。


荏原郡は、荏原区よりも広範な範囲を含む。

概ね品川区、目黒区、大田区および世田谷区の一部に相当し、

南は神奈川県川崎市の前身である、橘樹(たちばな)郡に隣接する。


荒脛巾(アラハバキ)皇国(おうこく)の行政の中心が、荒脛巾(アラハバキ)なので、

荏原郡の行政の中心を荏原区、橘樹(たちばな)郡の行政の中心を

橘樹(たちばな)郡稲毛領の橘―『末長』と『千年』の中間辺り―にすると、

これも対応関係がはっきりして、面白い気がする。


橘から『千年』で、中原街道を南下すると、未成線である、

川崎市営地下鉄の駅として設置される予定だった、【野川】駅に至る。

前述の廃駅、【新奥沢】駅を【弐番道路】―中原街道―上に

移動させているので、両駅をさらに線路で繋ぐことができるだろう。


すると、荒脛巾(アラハバキ)の最寄駅の【万世橋】駅の次が、

荏原区の最寄駅の【蛇窪】駅で、【第漆號地下鉄(メトロズィーベン)】と乗り換えられる。

その次の【新奥沢】駅で、【第捌號地下鉄(アハトライナー)】と乗り換えられ、

更にその次の【野川】駅は、橘の最寄駅で、川崎市営地下鉄と

乗り換えられる……。この路線は、この異界の最重要路線になるだろう。


そういえば、史実の川崎市営地下鉄、『川崎縦貫高速鉄道』では、

野川交差点にあるのは、『野川』駅ではなく、『久末』駅らしいが、

本作では、他の廃駅も移動させているし、他の廃駅と同様、

【野川】駅を野川交差点に移動させた方が分かり易いだろうと考えた。


――――――――――――――――――――――――――――――


以上、廃駅や未成線を元ネタにした、

架空鉄道の設定について、随分と熱く語ってしまったが、

これは作家としての自身の手法を公開していることに他ならない。


でも、それでも別に構わないと思う。

この小説も、様々な作品の影響を受けているけれども、

元ネタが殆ど分からないぐらいのレベルにまで

変形して、換骨奪胎させた上で、混ぜている。


例えば、鉄道の知識だけなら、確かに、

鉄道マニアと呼ばれる人達には、及ばないだろうが、

架空鉄道を設定する際には、周辺の地理や歴史の

知識も必要となってくるからだ。


仮に、この「別次元の領域」で描かれる世界観を模倣するのであれば、

物理学の学士号相当の知識、危険物と情報処理の国家資格、更に、

ネット上の知識でも充分ではあるが、ドイツ語やアイヌ語等の

言語学の知識、恐竜以外の古生物、路上格闘に関する知識等も要する。

次回、「#4. 第壱章後半の世界観とその設定の解説」を予定。

更新日時等は未定。

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