表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
別次元の領域(2021年版)  作者: 草茅危言
【資料】本作の世界観とその設定の解説
113/120

#2. 第零章後半の世界観とその設定の解説

本作の世界観とその設定が複雑なので、

解説を加えることにしました(2022/06/12)。

【転移の鳥居】を使うまでが、第零章の前半であった。

【蜘蛛神社】へ転移して以降を、第零章の後半とする。


さて、本編中では触れなかったが、秋葉原と荒脛巾(アラハバキ)

対応関係にあるので、墓地へと続いている【蜘蛛神社】は、

恐らく、谷中辺りだろうか。ここは、生姜が名物である。

余談だが、八王子周辺では、山葵(わさび)が生産されていたりする。


初戦は大型自動車級の大きさの巨大蜘蛛二匹。

他の異世界小説の主人公であれば、サクッと瞬殺するのであろうが、

戦い慣れしていない現代人の行動としては不自然極まりない。

(むし)ろ、本作の主人公は冷静に立ち回り、健闘している方であろう。


卒塔婆の文字は、梵字―悉曇(しったん)文字ともいう―で書かれているが、

これは現実世界でも同様なので、異界らしさはそれほどでもないが、

一方で、並行世界らしさは強調されている。


そして、手向けられた花。

ヘリオトロープ。花言葉は、「太陽に向かう」。

トリカブト。花言葉は、「復讐」。

この二つの言葉の意味を統合すると、

「太陽への復讐」となる。


この花を手向けていた白装束は、向かい側から見ると、

襟が逆「y」字状になっており、死装束である。


解説すると、この白装束は、現実世界では大昔に死んだ、

古代日本人である。「太陽」は、「大和朝廷」の暗喩なので、

彼の正体は、「まつろわぬ民」ということになる。

史実では、当時の指導者は、「ニギハヤヒ」、「長髄彦」等と

伝えられているが、残っている資料も少ない。


初期の大和朝廷の統治者は、120年国を治めたという記録が

あるらしいが、縄文時代の平均寿命は30歳代じゃなかったか?

そこで、この疑問さえも、小説のネタにする。


実際に、120年以上の寿命を有する、

【神族】と呼ばれる者達が存在し、

縄文人や弥生人と混交していたことにするのだ。


日本人の起源、或いは、日本語の起源について調べたことがあるなら、

未だにはっきりしたことが分かっていないことを御存知だろう。


そこで、本作の世界観では、敢えて逆に

非科学的に説明してみたのである。


また、現実世界では一度死んでいる、この白装束には、

日本建国以来2600年の悠久の時を越えて人造人間(ホムンクルス)

として、存在してもらうことにしよう。


白装束の称号は、【大王(おおきみ)】だと、大和朝廷の称号と同じだし、

大君(おおきみ)】だと『たいくん』と紛らわしいので、

大皇(おおきみ)】と名乗ってはいるが、

「ニギハヤヒ」や「長髄彦」等の意識が混濁した集合体であり、

2600年の時を経ているため、その記憶はかなり曖昧になっている。


また、現実世界の側からは異界の様子は見えないが、

異界の人間は、こちらの様子を覗くことが出来るらしいので、

彼には、こちらの世界の2600年分の文化を取り入れてもらおう。

具体的には、【竹槍】を使ったり、【重力の(くびき)】の呪文を、

「五・七・五」調にしたり。上代日本語や上代東国語で話されても、

現代人には分からないし。まあ、少しは、

上代日本語や上代東国語の抑揚が残ってはいるのだろうが。


150歳近くのブルクドルフ氏は、現在のギリシャ辺りの血を引いている

設定にして、明治時代の御雇い外国人的な、立ち位置に対応させた。

この世界にある、明らかに西洋系の技術に関しては、

彼のような存在を技術顧問としていた方が自然だろう。


主人公達は、大和民族の末裔ではあるが、

荒脛巾(アラハバキ)】の民の血も引いているため、

魔素検知能力、即ち、【魔力】が高く、

勿論、彼ら、現地の権力者から憎まれていることもない。

彼ら異界の住人は、我々のことを表大和(おもてやまと)と呼んでいる。


大臣(おおおみ)】、【大連(おおむらじ)】は、飛鳥時代頃の名称。

時代設定が、源平の合戦や戦国時代、幕末の頃の小説は多いが、

飛鳥時代頃の小説は少ない。三国志演義の時代はもう少し前の

時代だが、舞台が日本ではないため、ここでは敢えて触れない。


ここまで、渾名(あだな)でしかなかった、【蝙蝠山卿】の称号だが、

臨時の爵位―男爵相当―を与えられ、実際に意味を持つことになる。

異世界小説の定番としての、現地の権力者との人脈形成の話だが、

彼らからすれば、あくまでも外様(とざま)なので、臨時の爵位は、

来客対応としての身分証の様な扱いのつもりだった。


巨大蜘蛛の死骸回収や、ドッペルゲンガーに会うと死ぬ話は、

全部伏線であり、後の話でそれらの伏線が回収されることになる。


以上が第4話から第6話の根底に流れている思想である。


――――――――――――――――――――――――――――――


第7話では、この【荒脛巾(アラハバキ)皇国(おうこく)】を含む、

世界の概要について、説明している。


現実世界を表の世界とするなら、この世界は裏の世界である。


これについても、本作の世界観では、敢えて逆に

非科学的に説明してみることにしよう。


まず、カオス理論の「バタフライ効果」を考え、

無数のバタフライ効果によって、分岐した並行世界を仮定する。


量子力学の多世界解釈では、これらの並行世界は、

互いに行き来できないが、ここでは、物理の記事を

書いているわけではなく、小説を書いているので、

「巨視的トンネル効果」を仮定して、転移可能とした。


また、既に、現実世界では、半減期が短すぎて

観測できない素粒子の存在を「魔素」として仮定している。


そして、逆に、現実世界では科学的に説明できない、

多神教や汎神論、一神教、無神論という、

宗教の違いも量子力学的に解釈してみた。


――――――――――――――――――――――――――――――


次に、両者の世界の共通点と相違点について整理している。

「日本沈没」という話があるらしいが、ここでは、逆に、

日本以外全部沈没させてみた。実際にそういう話もあるらしいが。


日本列島以外にも、日本列島とかつて日本の統治下にあった

歴史のある、樺太と台湾、日本語を公用語にしているパラオ、

基地のある南極大陸といった地域は、八百万(やおよろず)

神々の加護というか、恩赦?により、沈没を免れたようだ。


最近、北海道のアイヌが話題になることが多いが、

現実の樺太にはアイヌだけでなく、ニヴフやウイルタ、

エヴェンキ等の民族がいるし、台湾には、

オーストロネシア系の先住民がいる。


東夷とか、蝦夷(えみし)蝦夷(えぞ)の「夷」という字には、

「弓」を使う「人」という意味があるようだ。

実際、例えば、アイヌは、イチイの木の弓にトリカブトの毒矢を使う。

一方、異世界小説では定番のエルフも弓を使う。


エルフは魔法も使うだろ?と反論が来そうだが、

それなら、アイヌだって、「トゥス」と呼ばれる、

巫術を使う、シャーマン的な要素を持っているぞ。


余談だが、独逸(ドイツ語)elf(エルフ)は数字の11を意味する。

いや、確かに「11」という数字も、尖った2つの耳が付いてはいるが・・・。


また、執筆中に知ったが、過去には、「粛慎」と書いて、

「みしはせ」、或いは、「あしはせ」と読む謎の民族集団や、

流鬼国や、夜叉国という謎の民族集団もいたらしい。

これも、外伝や続編等で、登場させるかも知れない。


というわけで、これが、【蝦夷(えぞ)エルフ】という者達が

統治している【蝦夷(えぞ)共和国】が誕生した経緯である。

国名は、函館の五稜郭を中心として、幕末の一時期に存在していた、

同名の国名が元ネタである。


日本は決して単一民族の国家ではなく、多民族国家である。

かつては、九州でさえ、熊襲や隼人が存在していた。

そういうわけで、【玖球(クーゲル)帝国】は、理外の民とも呼ばれる、

複数の【魔族】からなる連合国家という設定にした。


国名の由来であるが、「玖」は、「九州」の「九」の大字。

「球」は、「琉球」が由来。さらに、「Kugel(クーゲル)」は、

独逸(ドイツ)語で「球」という意味を持っており、

ブルクドルフ氏が命名したことにした。


――――――――――――――――――――――――――――――


そして、この異界の世界全体の名称であるが、

実は、当初は、明確に定めていなかった。

何故なら、以下の様に考えられるからだ。


さて、(そもそ)も、自分達がいる世界を

自分達で呼ぶ機会があるのだろうか?

例えば、我々がいる世界。「地球」?

それは惑星の名称に過ぎない。


裏の世界。並行世界。反転世界。

ラテン語由来で「逆もまた真なり」という意味の

英語【vice(ヴァイス)versa(ヴァーサ)】。


異界。冥界。幽世(かくりよ)

アイヌ語で「冥界への入口」という意味の【ahunrupar(アフンルパラ)】。

アイヌ語には「冥界」という意味の、【poknamosir(ポクナモシリ)】もあるが、

これだと、一度異世界転移したら、帰還できそうにないので却下。

本来、単語末の「ラ」や「リ」は、本来小書きのカタカナを

用いるのが正しいが、環境依存文字なので、

ここでは、普通のカタカナで書いている。


他にも、先の章で、【(りゅう)無き世界】、【術理の世界】

等とも呼んでいる。本編完結後に思ったことだが、

この世界では、現実では消滅した言語、絶滅した古生物、

廃駅や未成線が存在しているので、現実世界側から見た場合、

喪われたものが存在している世界ということになるので、

外伝や続編等では、【喪界】、或いは、【喪世界】と

呼ぶのが相応しいかも知れない。


地図にはない無人の大陸の話や、第1話で転移前に購入した、

「量子力學・壱」の古書も伏線になっており、

後の話でこれらの伏線も回収されることになる。


ところで、第1話で、荒脛巾(アラハバキ)は、

綴りがアナグラムになっている、電気街の秋葉原と、

空間上で対の関係となっている設定にしたが、

それなら、秋葉原から歩いて20分から30分程度の距離にある、

古書店街の神保町(じんぼうちょう)も、理系学生御用達であり、

それと空間上で対の関係となる場所があっても良さそうである。

そこで、第8話では、【神代古書店街】を登場させた。


本作の世界観では、この異界は、現実世界の日本の並行世界と

捉えているので、似て非なる世界。同名の書籍でも、

内容は異なっているが、普通の異世界小説のように、

得体の知れない食事が出て来ることはない


第9話は、【大皇(おおきみ)】視点の外伝である。

彼のような外国人嫌いの差別主義者の視点で、外国人向けの

日本語の教科書を書く、というのも面白いかも知れない。

→「もし外国人嫌いの差別主義者が日本語の教科書を書いたら」

次回、「#3. 第壱章前半の世界観とその設定の解説」を予定。

更新日時等は未定。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ