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【呪1000PV】異世界×蟲毒 転生したらびっくりするほどユートピア(邪神殿)でした  作者: 木倉 ゲイボルグ


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パーフェクト・ユートピア

成功した。成功した。成功した。成功した。成功した。成功した。成功した。成功した。成功した。成功した。成功した。成功した。成功した。成功した。成功した。成功した。成功した。成功した。成功した。成功した。成功した。成功した。成功した。成功した。成功した。成功した。成功した。成功した。成功した。


生まれて初めて――というか、転生して初めて呪いが成功しました。あくまで簡易的に作った骨人形を使って丑の刻参りをしたのですが、まさかここまで効力を発揮するとは……夢でも見ているのでしょうか。


血をだらだらと口から垂れ流す悪人たちが次々に蟲毒な空間へと落ちてきます。


どす、どす、どす、どす――


その光景を見ていた僕はというと、ドン引きしていました。


「きっしょいですねえ」


引いていたのは僕だけではありません。僕と一緒にハンマーで骨釘を叩きつけていたケモ耳狐少女もまたドン引きしていました。


「あわわわわわわわ」


ふふふ。君がやったんですよ……将来有望キツネガール。九尾になるのが楽しみです。


それはそうと、昔テレビで永遠に人が落ち続けるという怖い話を見たことがありますが、あれは怖すぎてユートピア案件でしたねえ。それと似たような光景がここにあります。


僕と彼女を閉じ込めた張本人たちがテ●リスみたいに命尽きる光景を眺めるのも一興なのですが、状況としては出口はできたが出ようがないまま。


そんな頃合いを見計らったかのように、僕の体から金色の光があふれ出したではありませんか。確定演出きたーっ。というところですが、なんなのでしょうねこの神々しくも禍々しい気配は。


放出された光は繊維状に(ほど)けるように分散し、僕の体から離れていきます。光の糸はやがて束となって折り重なり、人型を成していきました。日曜アニメの変身バンクかな?


「あっ」


黄金の光に気を取られていましたが、いつの間にか死体の山で築かれた人体バベルの塔が完成していました。


「狐さん、塔が崩れない内に登ってしまいましょう」

「あぅ……」


光を気にする狐少女の手を引いて、僕は邪神教団の屍を踏んでいきます。


神の領域に近づこうとした人々はバベルの塔を作りましたが、神はその行為を傲慢だとして人々から共通言語を奪いました。人々がバラバラの言葉を話すようになってしまったせいでバベルの塔の建設が立ち行かなくなり、塔は完成しなかったんです。


「邪神に近づくと人々そのものが塔になるんですねぇ」

「?」


人間塔を登り切った僕と狐娘はいかにも儀式が行われそうな広場に出ました。鉄臭い匂いが充満した地下から解放され、僕はようやく生を実感するのです。


と、その時。背後から強烈な気配! 僕に対する明確な殺意!


「――びっくりするほどユートピアッ!!?」


反射的にユートピアをかましましたが、気配が弱まる気配はないです。


「狐さん! ここから離れるんだ! 危ないですよ!」


僕は握っていた狐少女の手を放し、その背中を押しました。ですが彼女はなぜか僕の手を再び掴んできたのです。


「うううううぅぅぅぅ!!」


まるでくっつき虫。何度押しやっても戻ってきます。よく分かりませんが、分離不安を覚えているようですね。どうして生命は緊急時に限って不合理な選択をするんでしょう。


仕方ない……これだけはやるつもりはなかったんですが……!


僕はおもむろに上着を脱ぎ、シャツを脱ぎ、ズボンを脱ぎ、パンツを脱ぎ、除霊の儀式の正装(全裸)になりました。


さらに右目を白目に、左目も白目にし、スタンバイオーケー。


そして仕上げは尻叩き……!


パン! パン! パン! パン! 


「びっくりするほどユートピアッ! びっくりするほどユートピアッ!」


これこそがパーフェクト・ユートピア――究極の除霊効果を得られますが、代償として尊厳が破壊されます。一般エリートの僕としては、たとえ死んでもこれだけはやりたくなかったのです。


……とはいえ、今は罪のない狐っ子さんがいるので背に腹は代えられません。エリートとして、責務を遂行します。


パン! パン! パン! パン!


「びっくりするほどユートピアッ! びっくりするほどユートピアッ!」





僕の尻が夕焼けの山脈と化し、狐少女さんにはすっかりドン引きされてしまった頃のことです。背後から向けられていた強烈なプレッシャーが、強烈な嫌悪へと変わりました。


「気持ち悪い」


気だるげな少女の声。僕の背中に暴言が突き刺さります。


僕はその声の圧とプレッシャーに恐れおののき、挙句の果てに頭痛が痛くなってきました。


勇気を振り絞って振り返ると、そこには黄金に光輝く少女が宙に浮かんでいました。座禅も組まずに浮遊するとは何事でしょう。


と思ったのですが彼女の背中には透き通るような羽が生えていました。


ところで、人間に完全に依存した生物――お(カイコ)様ってご存じですか? あの白くて可愛い、(まゆ)を作る芋虫。シルクロードのシルク。(きぬ)です絹絹。


カイコは弱いし動きも遅いし人間が餌を与えないと死んでしまう儚い生き物です。これって、要介護ですよ?


成長したところで、カイコの成虫(可愛い! 可愛い!)は羽(飛べません! 可愛い!)を獲得します。口は残っていますが死ぬまで食事はしなくなります(苦行僧!)。そうなるともはや彼らには三大欲求の一つを満たす交尾しか残されていません(スケベ!)。


個人的にカイコは大好きだったので蟲毒最強選手権への参加者候補にも上がったのですが、あまりにも弱すぎる(可愛すぎる)雑蟲(ザコ)のため選考からは外れてしまいました……。


なんで僕がこんな振り返りをするかって? そりゃもう決まってるじゃないですか。


目の前に光輝く空飛ぶ女性はカイコを擬人化したような姿をしているからです。前世のみんな、ぜひカイコの擬人化をインターネットで検索してください。可愛いカイコ系女子がたくさん見られるはずです。そして、みんなでカイコの擬人化を世に広め、世はまさに大蚕時代(だいかいこーじだい)とゆこうではありませんか!


淡月(たんげつ)の金髪に血の瞳、金の装飾を施した白を基調とした貴重そうなふわふわした衣? だけでも美しいのに、蚕の触覚と羽が加わったらこれはもう


すみません。落ち着きます。


話を目の前のカイコ系女子に戻しましょう。


そんなカイコな彼女がですよ? ぼ、僕に『気持ち悪い』って……言ったんです!


これって、ご褒美ですよ……?


「ありがとうございます」

「転生しても気持ち悪い。救えないボクのご主人だ」


こうして僕はパーフェクト・ユートピアをかました後、僕のことを『ご主人』と呼ぶカイコ系女子から『救えない』とまで言われてしまったのでした。





次回:美少女たちに名前をつけるってこれもう実質転生特典ですよ!

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