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星を護る者  作者: 花鹿
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巨人現る!!

1. 組織概要

正式名称: Global Earth Interception System(地球規模迎撃・干渉システム)


通称: ジェニス(G.E.I.S.)

設立背景: 地球外からの脅威(隕石衝突、未知の生命体・宇宙船の接近)や、地球規模の環境異変・超常現象に対処するため、主要国家が極秘裏に連合して構築した超国家防衛・観測機構。表向きは「国際宇宙気象・防災監視ネットワーク」とされているが、実態は地球全体の防衛および「介入」を司る最強の権限を持つ。


2. 主な任務と機能


1. 地球外飛来物の迎撃(Interception):

軌道上の衛星網と連動し、小惑星や未知の物体が地球の軌道へ侵入するのを宇宙空間で迎撃・無力化する。

2. 異常事態の「干渉」と隠蔽:

地球圏内で発生した超常的・未知の災害や、一般社会にパニックを引き起こす事象に対し、武力行使を含めた直接的な「干渉」を行って事態を収束させる。また、その事実を一般から隠蔽する情報統制も担う。

3. 特異点・未知資源の管理:

宇宙や異次元から飛来した未知のエネルギーやテクノロジーを回収・解析し、人類の技術的優位性を維持する。

3. 組織構造とシステム

中枢AI「G.E.I.S.(ジェニス)」:

組織の意思決定の大部分を補助する、超高度自律型人工知能。世界中のセンサーから送られる膨大なデータをリアルタイムで解析し、地球規模の脅威を予測・判断する。時として、冷徹な論理から人類にとって過酷な選択を下すこともある。


主要施設:

本部(Apex-0): 海洋上の人工浮遊プラットフォーム、または月面基地などに設置された高セキュリティ施設。

地上支部・迎撃拠点: 世界各地の地下深くや高山地帯に隠された防衛拠点。

 

 地球防衛組織「ジェニス」の地下基地から、轟音とともに多目的戦闘機JF-74 ヴァルキリアス (Valkirias)が3機、夜空へ向けて急発進した。


 アフターバーナーの青白い炎が暗闇を引き裂き、機体は瞬く間に大気圏の境界へと達する。


「正体不明の飛行物体はどこだ?」


 漆黒のコックピットの中、鋭い眼光で前方を見渡すのは「チーム・ルクシオ」の隊長である織田高虎(おだ ときと)だ。(年齢三十五歳。戦国武将を思わせるような、精悍な風貌をしている。妻帯者である。)


 宇宙空間の静寂の中、太陽系内を監視するジェニスの巨大軌道ステーション「オケアノス」から情報が来る。


「ルクシオ隊、聞こえるか?こちらチーム・アストライア。

すまん、こちらの防衛網が突破された。これより情報を転送する!」


 ヘルメットのバイザーに映し出されるレーダー画面には、K地区の上空で徐々に異形のシルエットを露わにしつつある巨大な影が捉えられている。


 正体不明の飛行物体は、減速するどころか突入速度そのままの勢いで地表へと激突した。


 轟音とともに夜の街の一部が消し飛び、漆黒の夜空を赤く染めるほどの激しい爆発を引き起こした。


 その燃え盛る巨大なクレーターの中心から、巨大な影が這い出してきた。


 現れたのは、あらゆる生物の常識を逸脱した巨大な生物。

 地球上の現在・過去の生物。

 どれにも似ていない、禍々しいまでの異形。


 それはまさに、星の彼方より来たりた「異形の獣」だった。


「怪物だと?」


 戦闘機のモニター越しにその姿を捉えたチーム・ルクシオの隊長の織田は、一瞬で動揺を飲み込む。


「よし、岡部・土門。あの異形獣を攻撃するぞ。リアルモンスターハントの始まりだ!」


 織田の号令とともに、チーム・ルクシオの各機が一斉に高機動モードに入る。

 漆黒の雲を切り裂きながら鋭い旋回機動を描き、彼らは超音速の翼をひるがえした。


 そして、眼下に広がる雲海を突き破るように現れた圧倒的な巨体の異形獣に照準を合わせる。


「ロックオン完了! ミサイル、全弾発射!」


 副官・土門の叫びを合図に次々と発射される迎撃ミサイルの軌跡が、夜空に幾筋もの眩い光の線を描き出す。


 凄まじい轟音と爆風が夜の静寂を木端微塵に打ち砕き、人類の最新鋭テクノロジーと異星の怪物による激しい戦闘の火蓋が切って落とされた。


 織田は一切の迷いを断ち切った鋭い眼光で操縦桿を固く握りしめる。


「怯むな! 俺たちの後ろには、守るべき日常と人々がいるんだ!」




 窓の外では本物の怪物?が暴れ回り、建物を次々と破壊し轟音を響かせている。


「夢だ・・こんな事ありえない。B級映画だって、もうちょいマシなストーリー書くぞ。ありえないだろ・・・」


 あまりに非現実的な出来事の連続に、俺はいよいよ意識を手放しそうになる。


「いよいよ君の出番だね」


 ベッド上で怪しいぬいぐるみ様が、すっと前足を組んでそんなことを言う。


「!?」


 あまりの状況に絶句する俺に向かって、そいつはこともなげにこう告げたのだ。


「君は、選ばれたんだよ。魔法少女に」


 その瞬間、俺は脳内で思わず「お前はキュ◯◯イか!」と盛大にツッコミを入れずにはいられなかった。


「誰も頼んでない!クーリングオフだ!元に戻せ!!大体あんな化け物に敵うわけないだろ。」


 あごに手をやり、ぬいぐるみ様は少し考え込む。


「うーん、君、弱気すぎだよ。わかった、今回は初回サービスでボクが一緒に戦ってあげるよ」


 すごい名案を思いついたかのような言い方で、はた迷惑なセリフをサラリと言ってのける。


「じゃあ行くよ!」


「ちょ、ちょっと待て!!」


 直後、世界が真っ白に染まる。

 それは凄まじいとしか表現出来ない、強烈な光に包まれる感覚だった。


 光が収まり視界が戻った時、俺は異形獣の目の前にぽつんと立っていた。


「はぁ??」


 いや、立っているどころではない。

 視線がビルの屋上よりも遥か上にあった。

 あんなにデカいと思った怪獣も、セントバードくらいの大きさにしか見えない。


 そして俺の体は何故か、白とピンクを基調とした可愛らしいデザインのドレスに包まれていた。


 幾重にも重なるパニエがスカートを大きく膨らませ、背中には鮮やかな赤い大リボンが風に揺れている。


 またその手には、ご丁寧にも魔法少女が使う魔法のスティックみたいな物まで持っている。


「何だ? あの巨人は? 少女?魔法少女??」


 ジェニスの司令室で、オペレーターが信じられないものを見たと言わんばかりに絶句する。


 現場空域を旋回していたルクシオのメンバーたちも、あまりの異常事態に攻撃の手を止め、ただその場に釘付けになっていた。


「なんじゃこりゃあああ!!」


 俺は、混乱と恐怖の極みに陥っていた。


 つい何時間か前まではデスクワークに追われる、疲れ切ったサラリーマンだったはずだ。


 それが何故か美少女になり――さらに異形獣と殴り合うような巨大化の憂き目に遭っているのか。

 人生の理不尽が限界突破していた。


「行くよ」


 脳内に、あの怪しいぬいぐるみ様の声が無邪気に響く。


 すると、俺の意思とは無関係に体が勝手に動き出した。

 まるで操り人形のように・・・重力と質量を無視した超常の機動を描き、異形獣へと突進していく。


「待て! 待てってば!!」


 いくら心の中で叫んでも無駄だった。

 身体は勝手に暴れ回り、圧倒的なパワーで異形獣を圧倒していく。

 蛮族すぎる戦闘スタイル・・・魔法少女じゃないのか?


 余りの急展開と理不尽さに、俺はプツリと意識を手放した。


 ――数十分後。


「アレは何だったんだ。異形獣を迎撃している最中に現れた、あの巨大な魔法少女は。俺たちは一体、夢でも見ていたのか?」


 戦闘機をベース基地に着陸させた織田が、ヘルメットを抱えながら疲労と困惑の色を隠せない声で呟く。


「いえ、私も見ました。あの魔法少女が、あの異形獣を圧倒的な力で粉砕したのも」


 隣を歩く副官の土門勲(どもん いさお)が、引きつった笑みを浮かべながらそう続ける。(年齢三十二歳。チームルクシオで副官務める苦労人。)


 その時、通信機が電子音を立てて鳴り響いた。地上部隊からの緊急連絡だった。


「こちら地上第3捜索隊。巨大魔法少女が消滅した現場周辺を捜索中、要救助者を1名発見しました。――おい、息はあるか!? 早く医療班を呼べ!」


次回予告

異形獣を倒した、巨大魔法少女。

そして、その場で確保された美少女。

混沌はさらに深まり、加速していく。

次回 「見知らぬ天井」でFuture Go!!

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