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星を護る者  作者: 花鹿
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16/20

奮戦!チームルクシオン!!

ジェニスが開発した巨獣用ビームライフル「アサルト・レイダーType-9」は通常の小火器とは一線を画す代物だ。


銃身の内部に超小型の縮退炉ジェネレーターを内蔵しており、トリガーを引くことで高密度なプラズマ粒子を圧縮・収束させ、戦車の装甲をも一撃で貫く高エネルギービームを連続発射することができる。


遠距離では収束率を高めて一点集中突破を図り、近距離では拡散モードに切り替えて面制圧も可能という、対巨獣戦におけるジェニス主力歩兵装備の最高峰だ。


 

 地盤の崩壊とともに、崩れ落ちた巨大なクレーターの底から、漆黒の闇が噴き出した。


 そして、その中から現れたのは、禍々しくも美しい紅い鱗を持つ東洋の「龍」に酷似した魔獣だった。


「ひっ!化け物だぁっ!?」


 先ほどまで強気だった工事現場監督は、目の前で現れた龍型の異獣の迫力に腰を抜かし転げながら逃げ出していく。


 しかし、開発業者の男は恐怖で足を震わせながらも、ジェニスの隊員に掴みかからんばかりの勢いで喚き散らした。


「い、一体どうなってやがる・・・まぁ 怪獣が出たならお前らの仕事だろ、さっさと何とかしろ! うちの会社に損害が出たらタダじゃ置かないからな!」


「黙りなさい。あなた達が、あの人の警告を無視して掘り進めなければ、この封印が解かれることもなかったのよ」


 玲が冷ややかな一瞥を浴びせると、男は気圧されたように言葉を詰まらせた。


 その時、頭上の空を切り裂くような轟音が響きわたる。


「ルクシオン隊、現場に到着した!」


「了解!」


 雲を突き破り、ジェニスの誇る最新鋭多目的戦闘機『JF-74 ヴァルキリアス』が3機の編隊を組んで降下してきた。


 ヴァルキリアスは可変推力偏向ノズルによる優れたSTOVL(短距離離陸・垂直着陸)機能を活かし、周辺の広小路や空き地へと素早く着陸。コクピットのハッチが開き、待機していたルクシオンメンバーたちと運んで来たスタッフが交代し次々と搭乗を完了させる。


 再び離陸した3機のヴァルキリアスは、すぐさま上空から龍魔獣への攻撃態勢へと移行した。


「各機、攻撃を開始する! 奴を翻弄しつつ、鱗の隙間を狙え!」


 リーダー機の指示のもと、3機は音速を超える超機動で龍魔獣の周囲を縦横無尽に飛び回り、敵の視線を分散させる。


 鋭く旋回を続けながら、機体の下部に搭載された対巨獣ミサイルが一斉に放たれた。


 ドォォォンッ!!


 激しい爆炎と煙が龍魔獣の巨体を包み込む。

 しかし、煙が晴れた後に現れたのは、不気味に紅く光る鱗を輝かせる魔獣の姿だった。


 対巨獣ミサイルの直撃すら、その強固な鱗には傷一つつけられない。


「マジかよ、ミサイルの攻撃が効かない!?」


 攻撃に苛立った龍魔獣は長い首を天高く突き上げ、その巨大な口をカッと開き上空のヴァルキリアスめがけて灼熱の炎が放つ。

 それは、夜空を焦がすほどの凄まじい熱量を放ちながらヴァルキリアスがいた空間を包み込んだ。


「危ないっ!」


 パイロットたちの絶妙な操縦テクニックとSTOVL機ならではの変則的な機動性により、3機のヴァルキリアスは間一髪でその灼熱炎をかわし上空へと退避する。


「ちぃ! 諦めるな、畳みかけるぞ!」


 リーダー機の号令のもと、3機は即座に反転。

 今度は機首に固定装備された高出力のニ門のレーザーカノンを展開し、龍魔獣の急所と思われる頭部へと照準を合わせた。


 鋭く研ぎ澄まされた青白いレーザーの光束が闇夜を切り裂き、魔獣の目を眩ませる。


 しかし、龍魔獣は人間には到底真似できない驚異的な反射神経で巨体をしなやかにくねらせ、そのレーザーの直撃を紙一重でかわしきってみせた。


「くそっ、動きが素早すぎる!」


 空からの攻撃が翻弄される中、地上でも戦況は膠着していた。


 俺と玲はヴェノヴェーダのトランクから取り出した"対巨獣用ビームライフル"を両手に構え、地上から龍魔獣の足元めがけてエネルギー弾を浴びせかけていた。


「これでもくらえっ!」


「隙を作って、ヴァルキリアスの援護をするわよ!」


 ビームの弾道が龍魔獣の鱗に激突し、細かな火花を散らす。しかし、その時――。


「やれやれ、これじゃあ埒が明かないねぇ」


 ピョコッと、俺の肩の上にいつの間にか現れたバロンが、呆れたように小さく耳を揺らした。


「おいバロン、お前呑気に見てないでなんか弱点とかないのかよ!」


「あるにはあるけどねぇ、今のあいつの硬度じゃ、あの戦闘機の武装や小火器じゃせいぜい皮膚をかすめる程度さ。それなりには効果があるけど、決定打になって倒すまでには到底いかないなぁ」


 バロンの呑気な分析を聞きながら、俺は頭を抱えた。

 空からの攻撃も、地上の援護も決定打にならない。このままではあの魔獣に街をめちゃくちゃにされてしまう。


(またあの恥ずかしい魔法少女に変身するしかないってのかよ!)


 だが、背後には避難しきれなかった人々や、これ以上被害を出せない街がある。


 覚悟を決めた俺は、ポケットの中でマジカルスティックを強く握りしめ、深呼吸を一つしたのだった。


次回予告

龍異獣の素早い動きに苦戦するチームルクシオン。

ルリは再び魔法少女に変身する覚悟を決めた。

そして、それを見つめる謎解きの存在。

次回「ディナーは戦いの後で」でFuture Go!!

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