砕けた封印
突如として発生した地割れと、不気味な咆哮。
その異常事態を察知した玲が、すぐに手元の端末からジェニスベースへと緊急連絡を入れた。
『こちら玲! 月見市開発予定地の地下から巨大な生物と思われる咆哮。 すぐに調査チームを現地へ派遣要請!』
連絡を受けてからわずか数分後――。
轟音とともに上空からジェニスの大型輸送ヘリが飛来し、現場の封鎖を担当する特殊部隊や調査スタッフを含むチーム・ルクシオンのメンバーが次々と降下してきた。
「急いで! 地下の巨大生物の発するエネルギー解析を!!」
「周囲を封鎖して、一般人の安全を確保しろ!」
「万一に備え迎撃体制を!!」
現場は一気に慌ただしい空気に包まれる。
調査スタッフの面々は、次々と最新鋭の観測機器やエネルギー探知プローブを地面に設置し、手際よく調査を開始した。
白髪の地元歴史研究家は、その圧倒的な科学力と手際よさにただただ目を丸くしている。
「すごい・・・なんだこの機材は・・・一体あなたたちは何者なんだ?」
老人が驚愕していると、そこにガタガタと荒い足音を響かせながら、プレハブ事務所の方から男たちが駆けつけてきた。
先ほどまで現場を仕切っていた屈強な工事現場監督と、今回の開発計画の発注者である、高価そうなスーツを着た偉そうな開発業者だった。
「おい! 勝手にうちの敷地に入り込んで、何をやっているんだお前らは!」
開発業者の男は、調査スタッフが持ち込んだ物々しい機材と、周囲を固める特殊部隊の姿を見て一瞬、顔色を青くしたが必死に怒声を張り上げた。
「ここは我が社が正式に土地を買い上げ、許可を取って開発を進めている私有地だ! 不法侵入および業務妨害で訴えるぞ! すぐにそのガラクタを片付けて立ち去れ!」
現場監督もそれに同調し、調査チームを威嚇するように一歩前に出る。
「そうだ! お前らのせいで今日の工事スケジュールが滅茶苦茶じゃねえか。さっさと出ていけ!!ごっこ遊びならよそでやれ!」
しかし、調査チームの指揮を執るルクシオン隊長の織田は、冷ややかな視線を浴びせながら一歩も引かなかった。
「退去するのはそちらです。この地下で発生している異常エネルギーは、国家レベルの保安に関わる重大な危機を引き起こす可能性がある。災害対策基本法および特別防衛条項に基づき、この一帯の管轄権は我々ジェニスが一時的に接収します」
「なっ・・ふざけるな! そんな勝手な理屈が通るか! 計画が遅れれば莫大な損害が出るんだぞ、責任取れるのか!」
業者の男が顔を真っ赤にして詰め寄るが、状況はもはや人間同士の利権争いを超えた領域へと突入しようとしていた。
地下からのエネルギーの脈動が一段と激しくなり、地面が大きくうねり始める。
「状況を見ろ!くだらない事を言ってる場合じゃないだろ!」
醜い言い争いに思わず俺は声を上げた。
「もう、手遅れかも・・・」
玲が険しい表情で呟いたその瞬間、ついに地盤が完全に崩壊し、封印の奥底から恐るべき魔獣が咆哮と共に姿を現わした。
次回予告
人間達の醜い争いをよそに、封印が解かれ古の魔獣が姿を現した。懸命に迎撃するチームルクシオンだったが・・・
次回「奮戦!ルクシオン!!」でFuture Go!!




