67/288
第67話「今川」
駿河。
---
温かい風。
---
海。
---
そして。
---
今川。
---
---
「尾張が騒がしいな」
---
---
今川義元が、静かに茶を置く。
---
---
織田。
---
最近。
---
妙に名が広がっている。
---
---
「美濃も押さえたとか」
---
---
家臣が、苦い顔をする。
---
---
義元は、少しだけ笑った。
---
---
「若いな」
---
---
だが。
---
その目は、静かだった。
---
---
理解している。
---
---
織田信長。
---
あれは。
---
普通ではない。
---
---
「武田は」
---
---
「相変わらず上杉と戦っております」
---
---
義元は、少しだけ空を見る。
---
---
怪物が、多い。
---
---
だが。
---
戦国は、まだ広い。
---
---
「急ぐ必要はない」
---
---
ぽつりと呟く。
---
---
今川は。
---
まだ大国。
---
---
簡単には終わらない。
---
---
その頃。
---
尾張。
---
信長は、駿河地図を見て笑っていた。
---
---
「今川か」
---
---
ぽつりと呟く。
---
---
まだ。
---
届かない。
---
---
だが。
---
いつか。
---
必ずぶつかる。
---
---
その時を。
---
信長は、少し楽しみにしていた。
---
(次話へ)




