表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
愛を捨てし軍神の娘は、魔王に堕つ ―十一歳、上杉兼継 覚醒―  作者: 竜太郎


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
36/288

第36話「再侵攻」

甲斐。


---


空気が、熱かった。


---


冬は終わった。


---


つまり。


---


武田が動ける。


---


---


「出るぞ」


---


---


武田信玄が、笑う。


---


---


兵たちが、歓声を上げる。


---


---


「越後だ!!」


---


---


誰も、怯えていない。


---


---


本来なら。


---


恐怖する。


---


---


あの戦。


---


あの吹雪。


---


あの魔王。


---


---


普通なら、二度と戦いたくない。


---


---


だが。


---


武田軍は違う。


---


---


「信玄様がいる!!」


---


---


それだけで。


---


前へ出られる。


---


---


信玄は、槍を肩に担ぐ。


---


---


肩の傷は、まだ残っている。


---


---


だが。


---


笑っていた。


---


---


「……上杉兼継」


---


---


名前を口にする。


---


---


熱が宿る。


---


---


あれほど。


---


楽しい戦は、初めてだった。


---


---


「次は、勝つ」


---


---


短い言葉。


---


---


周囲の空気が、変わる。


---


---


本気だ。


---


---


その時。


---


家臣が、慎重に問う。


---


---


「織田は」


---


---


信玄は、一瞬だけ黙る。


---


---


そして。


---


笑った。


---


---


「面白い男だ」


---


---


即答。


---


---


「だが、今は上杉だ」


---


---


武田信玄の中で。


---


今。


---


戦国の中心は。


---


上杉兼継。


---


---


その頃。


---


尾張。


---


信長もまた、報を聞いていた。


---


---


「武田、再侵攻」


---


---


信長は、酒を飲みながら笑う。


---


---


「いいねぇ」


---


---


楽しそうだった。


---


---


「また始まるか」


---


---


家臣が、慎重に口を開く。


---


---


「止めますか」


---


---


信長は、即答する。


---


---


「止める?」


---


---


そして。


---


笑った。


---


---


「何で?」


---


---


沈黙。


---


---


「怪物同士が戦うんだぞ?」


---


---


「見ねえ理由がねえだろ」


---


---


完全に。


---


狂っている。


---


---


だが。


---


信長の目は、笑っていなかった。


---


---


見ている。


---


---


武田信玄。


---


上杉兼継。


---


その戦。


---


全部を。


---


---


「……学べる」


---


---


ぽつりと呟く。


---


---


信長は。


---


楽しんでいる。


---


だが同時に。


---


吸収している。


---


---


だから。


---


危険。


---


---


越後。


---


兼継は、静かに報告を聞いていた。


---


---


「武田軍、進軍開始」


---


「速度、前回以上」


---


「兵の士気、高」


---


---


兼継は、少しだけ笑った。


---


---


「そうか」


---


---


短い返答。


---


---


嬉しそうだった。


---


---


家臣たちが、少しだけ凍る。


---


---


変わった。


---


---


以前の兼継なら。


---


“処理”していた。


---


---


だが。


---


今は違う。


---


---


「……迎え撃つ」


---


---


その声。


---


少しだけ。


---


熱がある。


---


---


武田信玄。


---


あの男だけが。


---


魔王へ、“戦の熱”を教えている。


---


---


「配置は」


---


---


「完了」


---


「火輪銃隊、展開可能」


---


「偽情報散布済み」


---


---


全部。


---


整っている。


---


---


だが。


---


兼継は、静かに地図を見る。


---


---


「……今回は、正面から来る」


---


---


家臣たちが、息を呑む。


---


---


理解している。


---


---


武田信玄は。


---


もう。


---


“上杉の戦”を学んでいる。


---


---


「なら」


---


---


兼継の目が、細くなる。


---


---


「こちらも変える」


---


---


その瞬間。


---


空気が、変わった。


---


---


魔王が。


---


進化する。


---


---


遠く。


---


甲斐。


---


武田信玄が、空を見る。


---


---


越後。


---


兼継もまた、空を見ていた。


---


---


そして。


---


尾張。


---


信長だけが、笑っている。


---


---


「さあ」


---


---


盃を掲げる。


---


---


「戦国を見せてくれ」


---


---


怪物たちの時代。


---


それが。


---


本格的に始まろうとしていた。


---


(次話へ)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ