↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
愛を捨てし軍神の娘は、魔王に堕つ ―十一歳、上杉兼継 覚醒―  作者: 竜太郎


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
304/322

第304話「武田の雪中行」

駿河国、山間の陣。

武田信玄、三十九歳は、雪の混じる風の中で、冷たい酒を一口すすった。


内の経済循環が貧弱な甲斐にとって、冬の行軍は大きな負担であった。

しかし、南の海を手に入れるための軍事圧力の放出は、もはや止めることのできない生存条件となっていた。

今川の防衛線は摩耗しているが、雪という天候の変数が、武田の速度を減速させていた。


「越後国境、積雪により完全に閉ざされておりますが、上杉の物資供給は砦の間で機能しております」

山本勘助、三十九歳が、雪を払った地図を指し示した。


兵数は少ないが、雪の中でも途切れない情報の伝達経路。

どこを叩いても即座に防備が跳ね上がる越後の構造に対し、信玄は改めて背筋の寒さを感じていた。


「やはり、北は動かせぬな」

信玄は呟いた。

「南の海を完全に我が構造に組み込まねば、この冬は越せぬ」


信玄は敵武将を無益に殺さない。

それは勢力の崩壊が、周囲の統治圧を極端に変化させるからである。

武田の騎馬隊は、雪を踏みしめながら静かに今川の領内へと侵入を続けていた。

越後という巨大な固定装置を背後に感じながら、信玄は自らの生存圏の確保を急いでいた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。