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愛を捨てし軍神の娘は、魔王に堕つ ―十一歳、上杉兼継 覚醒―  作者: 竜太郎


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213/288

第213話「信長、動く」

尾張。

織田信長、二十歳。

城下の視察から戻ったばかりだった。汗を拭いながら、家臣の報告を聞く。

越後の件、続報あり。学問小屋が城下に定着しつつある。子どもだけでなく、成人も通い始めているという。

信長は黙って聞いた。

「成人も、か」

「はい。主に商人と職人とのことです」

信長は少し笑った。

笑い方が、家臣には少し怖かった。

「賢い」

短い一言だった。

子どもに教えるより、すでに動いている大人に教える方が、効果が早い。商人が計算を覚えれば市が効率化する。職人が設計図を読めれば、より複雑な物が作れる。

越後の子どもは、そこまで考えているのか。

それとも、自然にそうなったのか。

どちらにしても、結果は同じだ。

信長は立った。

「俺も城下を変える」

家臣が顔を上げる。

「何から始めますか」

信長は少し考えた。

「市だ。まず市を変える」

(次話へ)

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