表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
愛を捨てし軍神の娘は、魔王に堕つ ―十一歳、上杉兼継 覚醒―  作者: 竜太郎


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
211/288

第211話「玄斎、過去を語る」

ある夜、玄斎は珍しく自分から話し始めた。

京にいた頃のことだった。

「将軍家に仕えていた時、私は記録係でした。何でも書き留めた。誰が何を言ったか。何が決まったか。何が決まらなかったか」

兼継は黙って聞いていた。

「ある時、十年前の記録を読む機会があった。そこに、今と同じ議論があった。同じ問題を、十年前の人間も話し合っていた。そして、同じ結論が出ていた」

「それで」

「誰も、その記録を読んでいなかった。だから同じ失敗をした」

玄斎は茶を飲んだ。

「記録とは、積み上げることではありません。読まれることです。読まれなければ、ただの紙です」

兼継は少し考えた。

「読ませる仕組みが必要だ」

玄斎は頷いた。

「そうです。そしてそれは、文字を広めることより、ずっと難しい」

灯が揺れた。

兼継はその夜、長い時間をかけて、何かを紙に書いていた。

玄斎は見なかった。

見る必要がないと思ったから。

(次話へ)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ