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愛を捨てし軍神の娘は、魔王に堕つ ―十一歳、上杉兼継 覚醒―  作者: 竜太郎


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199/288

第199話「信長、噂を聞く」

尾張。


織田信長、二十歳。


家臣から越後の話を聞いたのは、何かの報告のついでだった。


橋を作った子どもがいる。市を作った。人を集めている。今度は学問らしい。


信長は特に反応しなかった。


ただ、盃を置いた。


「いくつだ」


「十三と聞いております」


信長は少し考えた。


十三。自分が家督を継いだのも、近い年だった。だが自分がやったことは、城下を歩き回り、家臣に呆れられることだった。


橋を作る発想はなかった。


信長は立った。窓の外、尾張の城下が広がっている。活気はある。だが何かが違う気がした。


越後の子どもは、下から積んでいる。


自分は上から押さえている。


どちらが長く続くか。


信長はその問いを、誰にも言わなかった。


ただ、胸の奥で転がし続けた。


(次話へ)

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