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第199話「信長、噂を聞く」
尾張。
織田信長、二十歳。
家臣から越後の話を聞いたのは、何かの報告のついでだった。
橋を作った子どもがいる。市を作った。人を集めている。今度は学問らしい。
信長は特に反応しなかった。
ただ、盃を置いた。
「いくつだ」
「十三と聞いております」
信長は少し考えた。
十三。自分が家督を継いだのも、近い年だった。だが自分がやったことは、城下を歩き回り、家臣に呆れられることだった。
橋を作る発想はなかった。
信長は立った。窓の外、尾張の城下が広がっている。活気はある。だが何かが違う気がした。
越後の子どもは、下から積んでいる。
自分は上から押さえている。
どちらが長く続くか。
信長はその問いを、誰にも言わなかった。
ただ、胸の奥で転がし続けた。
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