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愛を捨てし軍神の娘は、魔王に堕つ ―十一歳、上杉兼継 覚醒―  作者: 竜太郎


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195/288

第195話「氏康、越後の静けさを警戒する」

小田原。


昼。


北条氏康。


三十七歳。


書状を読んでいた。


越後からの情報。


橋市拡大。


人口増加。


そして。


新しい一行。


城下に学問小屋が生まれつつある。


氏康は書状を置いた。


家臣。


四十四歳。


「兼継は何を考えている」


静かに問う。


家臣は答えを持たない。


氏康は立つ。


縁側。


空を見る。


橋。


市。


人材。


学問。


順番がある。


ただの子どもではない。


積み上げている。


しかも。


急いでいない。


そこが怖かった。


焦る者は読める。


急ぐ者は止められる。


だが。


静かに積む者は。


気付いた時には。


もう止まらない。


氏康は空を見続けた。


越後の方角。


風が吹いた。


(次話へ)

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