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第191話 氏康三十七歳、違和感を覚える
小田原。
昼。
北条氏康。
三十七歳。
城下を歩いていた。
市場。
商人。
職人。
活気のある町。
いつもの光景だった。
家臣が報を持ってくる。
越後。
橋市。
人口増加。
移住者増加。
氏康は歩きながら聞く。
やがて。
足を止めた。
「人か」
ぽつり。
家臣が顔を上げる。
氏康は空を見る。
最近の越後は。
橋ではない。
市でもない。
人が集まっている。
そこが厄介だった。
橋は壊せる。
市も焼ける。
だが。
人は違う。
技術。
知識。
経験。
それらは残る。
氏康は小さく笑った。
「面白い」
短い声。
十三歳の少年は。
町を作っているのではない。
人を集めている。
そこに気付き始めていた。
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