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第190話 兼継十三歳、人を見る
夜。
越後。
城。
灯が揺れている。
兼継。
十三歳。
帳面を見ていた。
橋市。
人口増加。
店増加。
税収増加。
良い報告が並ぶ。
だが。
兼継は数字だけを見ない。
家臣。
四十七歳。
静かに控えている。
兼継は一枚の報告書を手に取った。
新しく移り住んだ鍛冶職人。
二十四歳。
仕事熱心。
評判良し。
その横。
夫婦。
三十代。
宿屋を開業。
繁盛中。
数字ではない。
人だった。
家臣が少し不思議そうな顔をする。
兼継は言った。
「町を作るのは人だ」
短い声。
灯が揺れる。
橋も。
市も。
井戸も。
大事だ。
だが。
最後に国を支えるのは人だった。
兼継は報告書を閉じる。
地図を見る。
橋市だけではない。
越後全体を見る。
まだ足りない。
まだ育てる。
十三歳の少年は。
今夜も未来を考えていた。
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