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第187話 氏康三十七歳、国を見る
小田原。
夜。
北条氏康。
三十七歳。
静かな部屋。
灯が揺れている。
報が届く。
橋市。
人口増加。
移住者増加。
豪族との会談。
氏康は紙を読む。
そして。
小さく息を吐いた。
家臣が聞く。
「何か」
氏康は窓を見る。
遠い夜空。
「橋の話ではなくなったな」
短い声。
家臣は黙る。
確かにそうだった。
最初は橋だった。
次は市。
その次は町。
今は人の流れ。
豪族との調整。
国全体の話になり始めている。
氏康は少し笑った。
「育っている」
その言葉に。
家臣も頷いた。
越後。
まだ小さい。
だが。
橋一本から始まった変化は。
もう止まらなくなっていた。
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