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第183話 氏康三十七歳、頷く
小田原。
夜。
北条氏康。
三十七歳。
報を読んでいた。
橋税開始。
商人限定。
村人免除。
短い文字。
だが。
氏康は頷いた。
家臣が聞く。
「何か」
氏康は紙を置く。
「育ったな」
短い声。
家臣は首を傾げる。
氏康は窓を見る。
町は金が要る。
橋も井戸も。
役人も。
全部金が要る。
だが。
早過ぎれば人が逃げる。
遅過ぎれば町が持たない。
その間を取った。
氏康は少し笑った。
十三歳。
それでも。
町を運営し始めている。
橋を作る少年ではない。
町を育てる者になり始めていた。
夜風が吹く。
氏康は静かに報を閉じた。
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