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愛を捨てし軍神の娘は、魔王に堕つ ―十一歳、上杉兼継 覚醒―  作者: 竜太郎


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181/288

第181話 最初の税

朝。


越後。


橋市。


空は晴れていた。


荷馬が橋を渡る。


商人が行き交う。


店が開く。


人が増える。


そして。


橋も傷む。


井戸も傷む。


役所も維持しなければならない。


庄蔵。


四十二歳。


帳面を見ていた。


橋市の収支。


紙の上には数字が並ぶ。


少し足りない。


大きくではない。


だが。


確実に足りない。


昼。


庄蔵は城へ呼ばれた。


兼継。


十三歳。


地図を見ている。


庄蔵が帳面を差し出す。


兼継は静かに読む。


長い沈黙。


やがて。


筆を取った。


「橋税を置く」


短い声。


庄蔵が顔を上げる。


兼継は続ける。


「商人のみ」


「村人は取らない」


橋を守るため。


町を守るため。


必要な金だった。


だが。


人は集めたい。


だから。


慎重に始める。


橋市。


初めての税だった。


(次話へ)


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