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第171話 氏康三十七歳、笑う
小田原。
昼。
北条氏康。
三十七歳。
報を読んでいた。
橋市。
揉め事発生。
町役人設置。
その文字を見て。
少しだけ笑った。
家臣が不思議そうな顔をする。
「何か」
氏康は紙を置いた。
「町になったな」
短い声。
村なら。
長老で済む。
橋だけなら。
橋番で済む。
だが。
役人が必要になった。
それは。
町になった証だった。
氏康は窓の外を見る。
城下町。
人。
店。
荷。
皆。
最初は小さかった。
越後も同じだ。
まだ小さい。
だが。
確実に育っている。
氏康は少しだけ目を細めた。
「面白い」
ぽつり。
最近。
越後の報を読むのが少し楽しみになっていた。
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