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第166話 橋市の夜
夜。
橋市。
灯が並んでいた。
以前は無かった光だった。
小さな飯屋。
布屋。
桶屋。
旅人宿。
まだ十数軒。
町と呼ぶには小さい。
だが。
確かに人が住み始めていた。
橋番の弥助。
六十一歳。
橋の端に座る。
灯を見る。
若い兵。
十九歳。
隣へ来た。
「賑やかになりましたな」
弥助は頷く。
昔。
この場所には何も無かった。
川。
草。
風。
それだけ。
今は違う。
人の声がある。
笑い声がある。
湯気がある。
弥助は橋を見る。
橋を作った。
終わりではない。
橋が人を呼んだ。
そして。
人が町を呼んだ。
橋の向こうから。
また荷馬が来る。
夜でも。
人は動いていた。
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