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愛を捨てし軍神の娘は、魔王に堕つ ―十一歳、上杉兼継 覚醒―  作者: 竜太郎


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162/288

第162話 橋市

昼。


越後。


橋の周辺。


以前は露店だった。


今は違う。


決められた場所。


並ぶ店。


荷を置く場所。


人の流れ。


兼継の命で区画が決まっていた。


商人同士の喧嘩も減った。


塩を売る者。


布を売る者。


桶を直す職人。


旅人向けの飯屋。


大きな町ではない。


だが。


確かに市だった。


橋番の弥助。


六十一歳。


市を眺める。


若い兵が言う。


「賑やかになりましたな」


弥助は頷く。


昔。


戦場で城下町を見た。


だが。


ここは違う。


城が先ではない。


橋が先だった。


橋が人を呼び。


人が市を呼んだ。


子どもが走る。


商人が笑う。


荷馬が止まる。


弥助は少し目を細めた。


橋が町を生んでいた。


(次話へ)


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