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愛を捨てし軍神の娘は、魔王に堕つ ―十一歳、上杉兼継 覚醒―  作者: 竜太郎


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161/288

第161話 井戸掘り

朝。


越後。


橋のたもと。


人が増えた場所。


荷馬。


商人。


職人。


旅人。


少し前まで土しかなかった場所に。


毎日のように人が集まる。


だから。


新しい問題も生まれる。


水だった。


荷を運ぶ者も。


店を出す者も。


皆、水を使う。


川はある。


だが。


毎回汲みに行くには遠い。


兼継。


十三歳。


橋の近くに立っていた。


周囲には職人。


鍬。


縄。


木材。


「ここだ」


短い声。


職人たちが地面を見る。


やがて。


掘り始める。


土が積まれる。


汗が落ちる。


地味な仕事だった。


戦ではない。


武功にもならない。


だが。


人が暮らすには必要だった。


兼継は掘られる地面を見た。


橋を作った。


次は井戸だった。


国とは。


終わらぬ仕事だった。


(次話へ)


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