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第155話 氏康三十七歳、報を閉じる
小田原。
夜。
北条氏康。
三十七歳。
静かな部屋。
灯の明かり。
紙を読んでいた。
越後。
橋周辺で人増加。
商人流入。
小規模市形成。
氏康は紙を閉じる。
乾いた音。
家臣が言う。
「橋から町になるとは」
驚いた声だった。
氏康は窓を見る。
夜風。
静かな庭。
「人が集まる場所だからな」
短い声。
戦場でも同じだった。
人が集まる。
物が集まる。
金が集まる。
そして。
町になる。
氏康は少し考える。
橋。
町。
市場。
まだ小さい。
だが。
十年後はどうだ。
二十年後はどうだ。
分からない。
だからこそ。
見ておく価値があった。
遠い北。
越後。
最近。
その名を聞かぬ日が無くなっていた。
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