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愛を捨てし軍神の娘は、魔王に堕つ ―十一歳、上杉兼継 覚醒―  作者: 竜太郎


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154/288

第154話 兼継十三歳、最初の悩み

夜。


越後。


城。


灯が揺れる。


兼継。


十三歳。


帳面を見ていた。


橋周辺。


人増加。


露店増加。


荷増加。


喜ぶべき報だった。


だが。


今日は違う紙がある。


揉め事。


喧嘩。


場所争い。


短い報。


橋が出来た。


人が増えた。


だから。


問題も増えた。


家臣。


四十七歳。


報を見ながら言う。


「追い払いますか」


兼継は少し考えた。


すぐ答えない。


灯だけが揺れる。


やがて。


兼継は言った。


「区画を決めろ」


短い声。


「場所を分ける」


家臣が顔を上げる。


兼継は続ける。


「人が増えれば揉める」


当然のように言った。


十三歳の言葉とは思えなかった。


橋を作る。


終わりではない。


人が増える。


問題が増える。


それを整える。


国とはそういう物なのだろう。


兼継は橋周辺の地図を見る。


また新しい仕事が増えていた。


(次話へ)


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