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第150話 兼継十三歳の春
夜。
越後。
城。
灯が揺れている。
兼継。
十三歳。
帳面を見ていた。
橋。
荷。
村。
病。
倉。
紙は増え続ける。
家臣が入る。
四十七歳。
長年仕えている男だった。
「お休みを」
いつもの言葉。
兼継は筆を止めない。
家臣は苦笑した。
十三歳。
本来なら。
まだ遊んでいても良い年だ。
だが。
目の前の少年は違う。
国を見ている。
村を見ている。
人を見ている。
兼継は文を開いた。
橋の向こうの村からだった。
“種、蒔く”
短い文字。
兼継は少しだけ目を細めた。
去年は生きる話だった。
今年は育てる話になっている。
それだけで十分だった。
灯が揺れる。
国もまた。
少しずつ育っていた。
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