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第149話 橋番の日々
朝。
越後。
橋。
川霧がゆっくり流れていた。
橋番の弥助。
六十一歳。
今日も橋を見ている。
木を叩く。
縄を確かめる。
橋脚を見る。
地味な仕事だった。
だが。
誰も笑わない。
橋が止まれば。
荷が止まる。
荷が止まれば。
村が止まる。
それを皆知っていた。
商人が橋を渡る。
荷馬が軋む。
車輪の跡が増える。
橋は使われていた。
弥助は少し笑う。
傷が増える。
それは。
役に立っている証だった。
橋の向こう。
遠い村へ。
今日も荷が進んでいく。
春風が吹く。
川面が揺れる。
越後は静かに動いていた。
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