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愛を捨てし軍神の娘は、魔王に堕つ ―十一歳、上杉兼継 覚醒―  作者: 竜太郎


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138/288

第138話 市の値段

関東。


市。


昼。


人で溢れていた。


荷車。


魚。


野菜。


塩。


声が飛ぶ。


商人たちは値札を見る。


少し。


ほんの少し。


値段が変わっていた。


劇的ではない。


誰も気付かないほどの変化。


だが。


商人は見逃さない。


老人商人が算盤を弾く。


乾いた音。


「塩が少し下がった」


誰かが言う。


「越後か」


頷く者。


黙る者。


皆、分かっている。


橋一本で世界は変わらない。


だが。


橋一本が積み重なる。


道。


倉。


荷。


全部が繋がる。


それが怖かった。


商人は数字を見る。


数字は嘘をつかない。


越後。


まだ小さい。


だが。


少しずつ。


確実に変わっていた。


(次話へ)


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