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愛を捨てし軍神の娘は、魔王に堕つ ―十一歳、上杉兼継 覚醒―  作者: 竜太郎


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137/288

第137話 橋の傷

朝。


越後。


橋。


完成したとはいえ。


人が使えば傷む。


木には擦れた跡。


車輪の痕。


泥。


朝露。


橋番の兵が木を叩く。


乾いた音。


異常はない。


だが。


確認は続く。


荷馬が渡る。


商人が頭を下げる。


村人が橋を渡る。


子どもが走ろうとして叱られる。


そんな光景が増えていた。


橋の中央。


兼継が立つ。


風が吹く。


川の匂い。


湿った木の匂い。


橋は完成ではない。


守って初めて橋になる。


国も同じだった。


若い兵が言う。


「最近、人が増えましたな」


兼継は橋を見る。


短い沈黙。


そして。


「良い事だ」


それだけ。


だが。


橋の上を歩く人影は。


確かに昨日より増えていた。


(次話へ)


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