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第122話 宿場の噂
関東。
宿場町。
昼。
囲炉裏。
濡れた草履。
酒の匂い。
湯気。
商人たちが、低い声で話していた。
「越後、橋出来たらしい」
沈黙。
誰かが茶を置く。
「早かったな」
「雪国だろ」
「崩れると思ってた」
皆、知っている。
橋一本で世界は変わらぬ。
だが。
一本あるだけで。
薬が届く。
塩が届く。
冬が少し遠くなる。
老人商人が言う。
「戦してねえのに強くなってる」
誰も笑わない。
兵だけではない。
暮らしも力だ。
飯。
病。
道。
少しずつ積めば。
国になる。
窓の外。
荷車が進む。
雨上がりの土。
誰かが小さく呟いた。
「……嫌な魔王だな」
静かな笑い。
だが。
少し本気だった。
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