表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
愛を捨てし軍神の娘は、魔王に堕つ ―十一歳、上杉兼継 覚醒―  作者: 竜太郎


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
113/288

第113話 春水の音

朝。


越後。


川。


雪解け水が、まだ強く流れていた。


橋場。


濡れた木材。


泥に沈む足。


縄を引く音。


木槌が杭を打つ乾いた響き。


冷えた風が、袖へ入る。


兵が肩で息をする。


若者が泥を払う。


老人が縄を確かめる。


兼継は橋の中央近くに立っていた。


裾は泥。


足袋も濡れている。


昨夜の墨が、まだ指先に少し残っていた。


「右を上げろ」


短い声。


すぐに人が動く。


誰も急いで返事をしない。


先に手が動く。


それが、最近の橋場だった。


若い兵が、小さく笑う。


「兼継様、川より現場にいるな」


隣の男が鼻を鳴らす。


「城よりここだろ」


小さな笑い。


すぐまた木を持つ。


兼継は川を見る。


強い流れ。


気を抜けば奪う。


橋も。


国も。


少し放れば崩れる。


だから。


毎日積む。


派手ではない。


だが。


それしかない。


川音が響く。


橋は。


また少しだけ伸びていた。


(次話へ)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ