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我が名は

 それでは『化学』の話を致しましょう♪


 …おや、もしや浅学な貴方には『錬金術』の方が通りがいいのでしょうか?


 ならば、その程度の貧相な脳みそしか、その無駄にでかい頭蓋に収まっていない貴方にも分かるよう、我輩がご教授差し上げましょう!


 錬金術が鉛を金に変えたり、不老不死の薬を作ろうとする前時代的で神秘主義的なものであるのに対し、化学とは物質の構造や性質、反応を解明し、それを利用する、実に合理的かつ実用的な技術なのです!


 …それがこの話に何の関係があるかって?ありますとも!重要な話です!


 察しの悪い貴方は『白金』という貴金属をご存じでしょうか?あるいは『プラチナ』と言った方が馴染み深いかもしれませんね~


 なんと、庶民である貴方は見たこともないと⁉哀れですね~


 いいでしょう!


 では、白金がいかに素晴らしい物質かをご教授差し上げましょう。


 白金とは、実に化学的に安定している物質です。鉄が錆びるように、あらゆる物質は世界の影響を受けて変化しますが、白金はそれを受けにくい。


 つまり、永遠ではないにせよ、この世界において劣化しにくく、在り方が変質しにくいということです。


 また、化学においても非常に優れた触媒となります。


 触媒とは化学反応を促進する媒体のことですが、白金ほど自らの性質を変えずに他の物質を有用なものに変えるものは珍しいのです。


 まさに、それまではただの石ころ、あるいは取るに足らぬもの、時には邪悪とすら扱われていた存在であっても、瞬く間に利益あるものへと変えてしまう。


 ――それこそが白金!世界の変革を担う媒体なのです!


 さらに白金は非常に希少で、皆さんが大~好きな黄金よりもはるかに貴重です。


 加工も難しく、場合によっては黄金より高価になることもあります。


 ここまで話せば、何を言いたいかお分かりでしょう?


 そうです!


 この世界に黄金の冠を戴く王は多くとも、生まれながらに白金を頭上に戴く存在は非常に稀です。


 その人物こそ、世界の運命を変える触媒であり、黄金に飾られた有象無象よりも圧倒的に希少なのです。


 そして、そのお方が“皇帝”を名乗ったのです。


 もはや、それは世界の運命そのものだと、そう思いませんか?


 もっとも!


 そんなことを理解できない者たちは、健気に無駄な足掻きをするでしょうねぇ~


 しかし全く、不愉快です!


 脇役ならばその座を主役に譲るべきなのです!


 ……しかし、我輩はこうも考えました。


 有象無象の矮小な黄金を見せびらかす支配者たちが、次々に白金の皇帝の前にひれ伏す


 ——それもまた、最高の演目である、と。


 つまり、我輩が言いたいことはたった一つ。











 かかってくるがいい、支配者を自称する者たちよ。


 我らが皇帝陛下を際立たせるための名脇役としてな。


 我が名は█████・█・████


 今はそう名乗っている。

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