↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
2/6

関係者へのインタビュー・その2

――:臭いか。僕も霊能者を取材した時(*1)、教えてもらったな。本当に霊のいる所は近づいただけで腐臭がするって。Uさんは結構霊感あると思うよ。


Uさん:それは……ありがとうございます。でも、怖い半面、私、ちょっとほっとしたこともあって。占いのおかげでクラスの子らもRちゃんを見直したっていうか、ハブられることもなくなったし……


――:あ、それ、詳しい話聞かせてよ。個別のケース。一個だけでいいからさ。


<Uさんは躊躇を示したが、交渉の末、体験談を語ってくれた>


Uさん:……隣のクラスの子が、なくした櫛を探してくれって頼みに来たことがあって。自殺した友達にもらった物だから、どうしても諦めきれなかったそうです。Rちゃんは、天使が更衣室だって言ってるって、その子に案内させたんです。


――:その占いというか、託宣が当たったわけだ。皆も頼りにするよね、そりゃ。


Uさん:あったのはあったんです、更衣室に。でも、場所までは分からなかったから中々見つからなくて。付き合いきれなくなって私だけベンチに座ったんですよ。そしたら……


――:何が起こったの?


Uさん:何かが転がってきて、踵に当たったんです。恐る恐る確かめたら、ヘアスプレーの缶でした。二人に話したら、平気でベンチの下を見ろって意味だろうって言うんですよ。


――:まあ、缶を転がす人がいないわけだからね。


Uさん:とにかく、あの時はぞっとしました。実際櫛はベンチの下だったんですけど、二人と一緒に喜ぶ気にはなれませんでした。それに……後から気になって確かめたんですけど、その自殺した子、私も知ってたっていうか……Rちゃんと一緒で、貝殻を持ってる子だったから。


――:それは……心配になるね。Rさんは大丈夫だったのかな。憑りつかれる、というより、首ったけになる人はいるよね。悪い男に捕まったみたいに。


Uさん:最初はそれが自殺の原因なのかと思ってたんです。Rちゃん、段々貝殻と話してる時間が増えて、しまいには、ずっと……このままどんどんおかしくなっていって、ホントに自殺しちゃうんじゃないかって。


――:最初は? それは、Rさんの体にも異変があったということ?


Uさん:体調というか、スプレー缶のみたいなこと……臭いだけじゃなくて、足音がしたりとか、勝手に戸が閉まったりとか、そういうことが増えていきました。一度、腕を掴まれたこともあったんです。Rちゃん、私と話してる最中に天使に話しかけたりしてるんで、怒って貝殻を取り上げた時。やっぱりというか、ぬるぬるしてて、その時気付いたんですけど、あれ、多分腐った臭いじゃなくて、藻? 海水の臭いじゃないかな。


――:育つっていうのは、流ちょうに話すようになるって意味だけじゃなかったわけだ。段々と生身の体を持つ存在に近づいていっていたのかもね。Uさんは、天使が海から来たと……いや、天使は海からは来ないな。幽霊か妖怪か何かだとして、海から来た物だと思った?


Uさん:そうですね。ああ、でも、買った時点で貝殻の中に入ってたってこともあるんですか? 


――:その貝殻を割ってみないことには……手に入れる方法はまだある?


Uさん:いえ、Rちゃんのは残ってないし、配信者はさっさと雲隠れしちゃって。スピリチュアル……YUTOだったかな? 出てこないでしょ? 何も。


――:本当だ、古い呟きが出てくるくらいで……投降だけじゃなくて、本人のアカも残ってないね。





*1)2019、『月刊 6月号』特集記事『相場志保に聞く! ホンモノの心霊スポット』

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。