関係者へのインタビュー
以下は取材ノートから抜粋になるが、多少の編集を加えてある。Uさんの友人は仮にRさんとする。
Uさん:最初にRちゃんがおかしかって気付いたのは、高校の昼休みだったんす。これくらい?(レモン程)の、白い貝殻。巻貝でした。こう、スマホみたいな感じで、耳ばあてがって通話してたんすよ。
――:それは確かにヤバいね。他の子は何も言わなかったの? それとも、隠れて話してたとか?
Uさん:皆、ただのネタと思ったんす、最初は。小さいころからおしゃべりで、自分からネタ振るタイプだったし、電波とか正反対のタイプじゃないすか。でも、あの子、敬語だし、声も小さいし、何かね、私たちの方が部外者っつう感じなんすよ。
――:イマジナリーフレンドとか、お人形さんとかそういうボッチ系ではなかったと。貝殻のせいだったのかな? 呪いの貝殻? 的な。
Uさん:うーん、どうかな? 今思えば……やっぱり、貝殻そのものは原因じゃないと思います。逆にRちゃんが貝殻におまじないをかけたっていうか、つべでやり方を見たって話っす。名前忘れちゃったけど、スピ系の配信者で、結構人気あったみたいで。怪談とか開運とか、その手の話を仕入れるのも基本Rちゃんだったんで。
――:ありそう。スピ系というか、開運系は需要あるもんね……ちなみにその、お呪いのやり方ってRさんは話してたりした?
Uさん:Rちゃんによると、貝殻とお喋りしてる内に……最初はただのフリなんすけどね、守護天使が育っていって、そのうち色々教えてくれるって話でしたよ。天気とか、好きな人のタイプとか、落とし物の場所とか……よくある占いって感じで。
――:皆は信じたの? 他にもリスナーがいたとか、クラスでおまじないが流行ったりとか。
Uさん:流行るどころか、皆バリバリ警戒してましたよ。他のクラスにはいましたけどね。似たような貝殻持ってる子。とにかくクラスでは浮いちゃって、私も一緒に帰るの、ちょっとためらったりして。幼馴染なんで付き合わざるを得ませんでしたけど。しばらくしてRちゃんが占いを始めたら怖いくらい当たって、逆に知らない人まで相談に来てましたね。
――:占いかぁ。さっき言ってた天気を当てるっていう? Uさんも何か占ってもらった?
Uさん:無理っすよ、怖いし。
――:怖い? おかしくなったと思ったの?
Uさん:友達は、そうっすね。
――:Uさんは? 精神的なものだとは思わなかったと。
Uさん:そう……幻覚とは思わなかったっすね。私が一番傍でよく見てたんで……貝殻と話してる時、Rちゃんがヘラヘラ笑ってね。貝の向こうに何かがいるのは、間違いないと思いました。でも……
――:悪い物だと思った? 守護天使じゃなくて。
Uさん:不気味っていうか……時々、臭いがするんです。ドブみたいな。その臭いが、段々強くなってきて。臭いとか言ったらイジメみたいだし、言えませんでしたけど。




