第11章:エピローグ
10話完結が11話完結になってしまいました。
ただ、11話で完全完結ではなく、もうちょっとだけ続きます。
■ロールレの願い
北の山の麓、成瀬家の庭には、かつての重苦しい雰囲気はもうどこにもなかった。
双子のライとチカによる献身的な治療のおかげで、ロールレは目に見えて元気を取り戻していった。
彼は二十年近く前に転生したはずだが、その姿は十歳ほどの子供のままだった。
魔物の襲撃処理に訪れたダイモン卿の推測によれば、フライの魂がロールレの魂を封じ込めていた間、彼の成長が抑制されていたのではないかということだった。
ロールレは、ライやチカと同様に成瀬家に引き取られることになった。
「ボクも、元気になったら……友だち、たくさんほしいな」
かつて病室で呟いた彼のささやかな願いは、今、最高の形で叶えられた。
庭ではライ、チカ、ロールレの三人が、泥だらけになって遊び回っている。
「こらー! また服を汚して!」
洗濯板を抱えたマイが、笑いながら子供たちを追いかける。
その様子を眺めながら、ナムオは静かに呟いた。
「……もう、心配はいらないな」
その隣では、タクニャは日向の温もりに包まれながら、心地よいまどろみの中にいた。
■神様いまさら
まどろんでいるタクニャはふと違和感を覚える。
隣で神様も日向ぼっこをしてるようなそんな気がした
「タクくん、タクくん、ごめん、ごめん。能力の説明しとらんじゃった。
マイくんの能力の名前が説明になっとるから、伝え忘れとったよ!」
神様は、続ける。
「タクくんの能力は、もう大体わかっとるの。願えば『見えない手』が顕現するが、1日1回1分間しか使えん」
神様は視線をナムオに向け、説明する
「ナムくんの能力は破格じゃ。何と言っても『願いを叶える』能力じゃからの。万能じゃ。
その代わり、発動条件がかなり厳しくなっとる。
『大切な人の命が危険にさらされたとき』じゃ」
これで仕事は終わったとばかりに神様が立ち上がる。そしてついでのように言う
「ナムくんにも伝えといてな」
俺はまどろみながら答える
「いや……伝えないくてもいいと思う」
「どういうことじゃ!?」
「その条件って、アイツにとって自然な行動だから」
「………」
意識がハッキリしてきた俺はナムオを見る
「やっぱり、言わなくても同じだな」
神様はもうそこにいなかった
■看取る覚悟、生きていく理由、絆を生む存在
西日に照らされた縁側。
ナムオは遠くを見ながらタクニャに話しかける
「タクニャってマイのことが好きなのか?」
「好き……だと思うけど、もう猫だしな」
ナムオはこちらを見ずに続ける
「俺も好き……だと思うけど、まだわかんないな」
タクニャはナムオの能力がなぜ発現したかを改めて理解した。
「ところでさ」
よっという声とともに縁側を立ち、ナムオが話題を変える
「元いた世界で俺が死んだとき、悲しかった?」
タクニャもナムオと同じ様に目を合わせずに答える
「言わねーよ。ばーか」
ナムオがようやくこっちを見る
「今度はこっちが看取ってやるニャ」
タクニャもナムオを見て言う
「まだまだくたばるつもりはねーよ」
そこに洗濯物を取り込んだマイが通りかかる
「なに?まだ猫語で話してるの?」
こうして三人は末永くなかよく暮らしましたとさ
めでたし めでたし
万能猫
~俺が猫で猫が俺で。幼馴染を添えて~
─ 完 ─




