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東海道五十三次美人OLスキー旅ミケタマ珍道中  作者: いもたると


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京都・三条大橋 その3

 一方、我らがミケタマは。

「ねえ、あれ、何?」

「うーんと、よくわかんないけど、とにかく不吉なものであることは間違いなさそうね」

 遠く後ろを見やると、ドドドドドッという大音声とともに、盛大な雪煙が上がっている。


「どうする?」

「答えは一つ」

「関わってらんないわね」

「そうよね」

「エンジン全開!」

「三条大橋まで、一気に行くわよっ!」


 ブオン!

 ジェットスキーが、火を噴き、一目散に滑っていく。

 猛烈な雪煙が、二人の後ろで尾を引いて、真っ白な粉を撒き散らす。

 滋賀と京都の間にある、最後の山を一気に越えて、山科やましなの市街地へ。


「あーん、滋賀と京都の県境で写真撮れなかったあ〜っ!」

「悠長なこと言ってる場合じゃないわ。後ろ、迫ってくるわよ!」

 ドドドドドドッ!

 追いつかれては一大事と、ひたすら逃げる。


 コーガ、コーガ、コーガ、コーガ……。

 バグコーガ、バグコーガ、バグコーガ……。


「私も霊感が芽生えちゃったのかしら!?耳元でずっとバグコーガって聞こえるの。セミの亡霊に取り憑かれたみたい!」

「亡霊じゃないわよ!さっきのセミの大軍が追いかけてくるわ!え、何ですって!?バグはコーガ!?」


 天智天皇陵を過ぎ、一気に蹴上けあげまで駆け上がる。

「あの忍者の集団は、何!?」

「多分、バグよ〜!!」

 蹴上まで来れば、もう少し。

 東山を過ぎ、三条大橋が見えてきた。


「ミケコさーん!タマコさーん!そら、お前たち、忍者どもを蹴散らせ〜っ!」

「あれもバグなの!?」

「その通り!いつものバグってる一茶さんだわ!」

 ゴールまで、あとちょっと。


 ほら、弥次喜多像が見えてきた。

 現代では、橋の向こう側にある弥次喜多像。

 近未来では、ロボット化されて、動く、喋る、踊る。

「おめでとうございま〜す!」

「それ、カッポレ、カッポレ、甘茶でカッポレ!」


「弥次さん喜多さんって、こんな人だったの!?」

「長生きして、新しいキャラクターを見つけたんだわっ」

 ドーン、ドーン、ドーン!

 さらには、二人の到着を祝福して、三条の河原から花火が打ち上がる。


「もう〜、そっとしといてくれないのーっ!?」

「演出が、いちいち派手なのよね!?」


 しかし、まだこれだけでは終わらないのだ。

 ワラワラと沸いて出たのは、新撰組ロボットたち。

 お揃いの、浅葱色のだんだら羽織にハチマキ、誠の旗印。

 二人を迎え入れようと、三条大橋の入り口に、ゴールテープを張った。


 そこをサーッと通り抜けた!

「フィニッシュ!」

「やっとゴールよ!」

 あ〜っ、と、思わず橋の真ん中でへたり込む二人である。


「バンザーイ、バンザーイ、バンザーイ!」

 万歳三唱して、喜ぶ弥次喜多に、新撰組の面々。

「近藤さんに、土方さん。キャラ変わってる!」

「長生きして新しいキャラを見つけたんだわっ!」


 しかし、ゴール達成の余韻に浸っている余裕はなかった。

 ミケタマのすぐ後ろを追いかけてきた、悲しい男たち。

「バグ、コーガ、バグ、コーガ……」

「白状せいっ、忍法・二人羽織!」

「させるかっ、忍法・外来魚の舞!」

「伊賀忍者よ、こやつらをやっつけろ!ミケコさーん、タマコさーん!」

「坊っちゃーん!」


 ドドドドドドドドドドドド……!!

 セミ、ウスオ、ユラ、甲賀忍者、伊賀忍者、一茶、鱒之助に金のシャチホコ。

 もはや組んずほぐれつの大乱闘。

 団子状態で橋に飛び込んできたから、たまらない。

 狭い橋の入り口で、ぎゅうぎゅう詰めになってしまった。


「おわー」

「おわー」

 逃げ惑う、弥次喜多ロボット。

「敵襲であるぞ〜!」

 勘違いした新撰組ロボットたちと、忍者軍団との戦いが始まってしまった。


 そんなときでも、一人冷静な近藤勇ロボット。

「騒がしいのう。今宵の虎徹は、血に飢えて……、な、なんだあ〜っ!?」

 鴨川から一斉に、ブラックバスやブルーギルが飛び上がってきて、彼もパニックに陥ってしまった。


「こ、こらっ、金のシャチホコたちよ!どこへ行こうとするのだ!?おわ〜!!」

「坊っちゃーん!」

 そしてあっさり、二度目の忍法・外来魚の舞にかかってしまう、金のシャチホコ二体。

 一茶と鱒之助を背に乗せたまま、ドボンと、鴨川に飛び込んだ。


 ついでに、鴨川の河川敷で、観光客が呑気にパンでも食べようかと油断していると、必ず空から舞い降りてきて、パンを奪っていく、トンビたちも降りてきた。


「うわあ……。もう、ハチャメチャ」

「ねえ、ミケ。のんびりしていちゃいられないんじゃない?」

「そうよね」

「あれを、取り替えないとね」

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