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東海道五十三次美人OLスキー旅ミケタマ珍道中  作者: いもたると


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京都・三条大橋 その4


 二人は、唯一、擬宝珠が古いままに残されていた、橋の欄干に近づいた。

「これこれ。新撰組の刀傷が残っているわ」

 ミケコが古い擬宝珠に手をかけて、キュルキュルと回すと、それは簡単に外れた。

「これを、リュックサックに入れて持ってきた、新しいのに変えればいいのね」


 新しい擬宝珠を取り出し、それをまじまじと眺めた。

「こっちにも刀傷はついてるけど、これはフェイクなのよね」

 二人はしばらく顔を見合わせていた。

「古いままじゃあ、ねえ」とタマコ。

「そうよねえ」とミケコ。

 擬宝珠を欄干にセット。

 キュルキュルと今度は反対に回して、しっかりと締めた。


 乱闘の最中、それを目撃した、ウスオとユラの二人の忍者。

「あ、間に合わなかったか!」とウスオは唇を噛んだ。

「くはははは。これで我が任務は完了なり!」ユラは高笑いである。

 が、そこに油断が生じた。


「隙あり、忍法・二人羽織!」

「くわっ!」

 ユラにウスオの術がかかった。

 フラフラと操り人形のように、タマコの前にまろび出るユラ。

 その背中には、ウスオが影のように張り付いている。

 持ち前の影の薄さとあいまって、決して誰かに操られているなどとは見破られない、ウスオの必殺技だ。


「あら、忍者の人。何か御用かしら?」と、タマコは言った。

 己の意に反して、ユラの口が動いてしまう。

「タマコさん!そ、その擬宝珠を、早くお取りください!それは、弥次喜多グループを陥れんとした、十返舎開発の陰謀なのです。私は、十返舎開発に雇われて、風魔忍者の仕業に見せかけ、バグが起きているように見せかけていた、甲賀忍……」


「ストップ!」と、タマコがユラを遮った。「そんなこと、とっくに知っているわよ、日影ウスオさん」

「え……!?」

 ウスオは耳を疑った。

 人の口から自分の名前が出るのを聞いたのは、いつぶりのことか。

 ドサッと、操っていたユラを落としてしまった。


「日影ウスオさんでしょう。私たちの同期の」と、再びタマコの口からウスオの名前が出た。

「は、はい……」

「これを書いたのも、あなたね」と、タマコはポケットから一枚の紙を取り出した。

「それは……、ご覧になっていただけたのですか」


「横田の大常夜灯のところに挟まっていたのを、読ませてもらったわ。十返舎開発の陰謀と、甲賀忍者の暗躍について教えてくれてありがとう。これ、ウスオさんの字よね?」

「ど、どうして、僕のことを知っているのですか?」

「私たち、知ってるわよ。だって、同期じゃない。それに、あなたがなんの仕事をしているかわからないけど、大体いつも私たちと同じフロアにいるわよね」


 ウスオの顔がカーッと真っ赤になった。

 まさか、知られていたとは……!

 しかも、憧れの人に、思いを寄せるミケタマに……。

 ウスオはぼーっとしてきて、気絶してしまった。

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