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東海道五十三次美人OLスキー旅ミケタマ珍道中  作者: いもたると


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8/12

川崎 その2


 ミケタマが現場に着くと同時に、上演が始まった。

 街道を行く島津久光の一行。

 そこに前から馬に乗った四人のイギリス人。

 馬をおりるように命令する薩摩藩士だが、日本語のわからないイギリス人たちは、行列の中を突っ切っていこうとする。


 怒った薩摩藩士たちは、イギリス人を取り囲むと、一斉に刀を抜いた。

 予定では、ここで弘法大師が登場するはずなのだが。

「あれ、なんか様子がおかしくない?」と、ミケコ。

 薩摩藩士たちは、ミケタマの二人に刀を向けている。

「おかしいわね。バグったのかしら?」と、タマコ。


 そこにイギリス人四人も、ピストルを出して、二人に銃口を向けた。

「そこのおなご二人、覚悟せい!」と、ロボット薩摩藩士が二人に向かって怒鳴った。

「おなご二人って、私たちのこと!?」

「いったいどうしちゃったっていうの!?」

「問答無用、チェストー!」

「きゃああ!」

 一斉に二人に襲いかかるロボットたち。


 そうなのだ。

 これも一茶の策略なのである。


 お化け屋敷では失敗した彼は、ミケタマがゆっくり奈良茶飯を食べている間に先回りして待っていた。


「むほほ、坊っちゃん。その格好、似合いますな」と、鱒之助。「そのまま本物の僧侶として生きていけそうですぞ」

 一茶はスキーウェアから着替えて、弘法大師に扮していた。

「何を言うか、爺よ。僕はこれからミケタマの二人を嫁にするのだ。僧侶などやっていられるか」


「最近のお坊さんは、結婚もすれば肉も食べまするぞ」

「ふん、そんな生臭坊主は、僕は認めん。今から、僧侶の見本を見せてくれよう」

 意外とノリノリの一茶である。

 筋書きでは、ここで弘法大師に扮した一茶が登場して、ミケタマの二人を助け出す。

 窮地を救ってもらった二人は、一茶に恋に落ちる。

 とまあ、こんな具合であった。


 が、しかし……。

「お嬢さん方、今、私が助けて進ぜます!」と、陰に隠れて様子を伺っていた一茶が出て行こうとした、そのとき。

 シュパパパパッ!

 モワモワモワ〜!

 何かが飛んできて、ロボットたちに突き刺さった。


 倒れる薩摩藩士とイギリス人。

 と、同時に、モクモクと白い煙が辺りに立ち込めた。


「何なの、一体!?」とミケコ。

「早く逃げましょう!」とタマコ。

 何が起きたのか良く分からないが、とにかくこの期乗じて脱出する二人。

 スキーのエンジンを全開にしたのであった。


 後に残された現場では。

「ケホッ、ケホッ。な、なんなんだ、これは!」と、一茶がむせこんでいた。

「周りが見えませぬ!坊っちゃん、ご無事であらせられますか?」鱒之助も、ケホケホとむせてしまう。


 白い煙に包まれて、周りは良く見えない。

「くうう、いずれにせよ、またしても計画は失敗したらしいな」と悔しがる一茶の脇を、黒い影がサササッと駆けて行ったのだが、彼は気づかなかった……。


「あー、びっくりした」

「きっとバグが起きたんだわ」

 と、猛スピードで川崎を離れつつあるミケタマの二人。

 皆さんご存知のように、バグではなく、一茶の陰謀なのだが、二人はバグだと思い込んだ。


 しかし、この思い込みが、新たな陰謀を引き寄せるのだが、このときの二人は、まだそれを知らない。

 何事もなかったかのように、次の神奈川宿へと、スキーを滑らせるのであった。


 一方で一茶は、倒れたロボットに刺さっていたものを発見する。


「む、これは…!」

 鉄でできた、十字型のもの。はてさて。

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