亀山
庄野を出て、JR関西本線沿いに進んで、亀山に入る。
東海道46番目の宿だ。
この辺りまで来ると、だんだんと西の地域に入ってきているということが実感できるが、亀山市あたりまでは、名古屋圏に属すると言ってもいいだろう。
どこまでが東海で、どこからが関西なのかは、わかりにくいが、亀山を過ぎると、次は古代に鈴鹿の関があった関宿。
関の西側が関西なわけで、その辺りから関西が始まると考えるのも、一つの説ではある。
「どっちでも、いいんじゃない?」
「そうそう、どっちも日本だものね」
と、ミケタマの二人。
ここはお気楽な彼女たちの説に従うことが、一番ハッピー、一番平和だ。
「どこに行っても、魅力があるの!」
「どこに行っても、おいしいものがあるわ!」
そんな亀山宿に入っていく。
そろそろ日は暮れ、あたりは夕闇に包まれる頃。
少し心細さを感じ始めていた二人を出迎えてくれたのは、息を飲むほど素敵な景色だった。
「うわあ、すごいわ!」
「きれいね〜」
亀山の本陣一帯が、キャンドルライトで飾り付けされていた。
ここ亀山市は、ロウソクの生産で有名。
クラシックな趣のキャンドルランプが、店先に飾られ、街灯は、アンティークなキャンドルシャンデリアだった。
白いゲレンデに、柔らかなオレンジ色の温かみが映える。
「素敵。幻想的だわ」
「キャンドルのゆらめきって、癒されるわね」
「そろそろ、食事にしない?」
「そうね、こういう景色にふさわしい、ロマンティックなディナーが食べたいわ」
そんな二人が選んだのは、亀山名物・味噌焼きうどん。
ロマンティック……、かどうかはわからないが、亀山が誇る人気のB級グルメである。
「高級もB級も、おいしいものに境目なんかないわよね」
「そうそう。東海も関西も、いいとこどりな三重県だわ」
鉄板の上で、豚ホルモンや野菜と一緒に焼いたうどんに、ピリッと甘辛な、赤味噌ベースのタレを混ぜる。
亀山市内の国道を走る、トラック運転手に好まれた味である。
「辛い、うまい!」
「ガッツリだけど、食が進むわあ」
お供には、これをいかがだろう。
これも三重のB級グルメ、津ぎょうざである。
直径15センチの、大判の皮で包んだ揚げ餃子だ。
こちらは、津市の学校給食で親しまれていたもの。
「揚げ餃子の皮がバリッ!肉汁、ジュワーよ!」
「このボリュームなら、一個で大満足ね」
食事の後は、亀山城にチェックインした。
現代では、明治時代の廃城令によって、城跡しか残っていないが、近未来では、別名を粉蝶城(または、ふんちょうじょう)と呼ばれ、モンシロチョウが飛ぶ姿に例えられた、美しい姿を、完璧に再現してある。




