石薬師
道はやがて、44番目の宿、石薬師に入っていく。
ここは東海道の中でも、小さな宿場だ。
次の庄野までは、約2・7キロしかない。
普通なら、あっさり通り過ぎてしまいそうだが、この近未来のスーパーゲレンデでは、そうはいかない。
ゲレンデの両脇には、何やら見たことのある、赤と白の縞縞模様が。
「あ、入ったわよ」
「ここから、高速ゲレンデね」
急に速度が上がり、二人のスキー操作が忙しくなる。
ここ、石薬師と次の庄野は、三重県鈴鹿市に位置している。
すぐ南には、鈴鹿川が流れており、川を越してしばらく行けば、F1レースや鈴鹿八耐で知られる、鈴鹿サーキットがあるのだ。
その鈴鹿サーキットにちなんで、鈴鹿市を通る一部の区間が、特別にスピードの出やすい、高速ゲレンデに仕立て上げられていたのだった!
「とっ、とととっ!」
「ひゃ、おわっと!」
さすがのミケタマも、ブレーキをかけながら進む。
そんな二人の脇を、小さな影がシャーッと滑り抜けていった。
「すごいわね、あの子たち」
「さすがよね」
スキー場名物、ゼッケンをつけた地元の子どもたちである。
のんびりふんわり系観光客の多い東海道ゲレンデじゃ、珍しい。
あっという間に、次の庄野の本陣が見えてきた。




