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東海道五十三次美人OLスキー旅ミケタマ珍道中  作者: いもたると


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吉田

 坂を登れば、後は道なりに真っ直ぐ。

 一気に吉田の宿へと入っていく。

 周りの景色は、だんだんと市街地になってきた。


 吉田と言うと、馴染みが薄いが、ここは愛知の東の都、豊橋の中心部だ。

「見て、路面電車が走ってる!」

「城下町だわ。川が流れてるわね」

 普段、東京で暮らしている二人にとって、地方都市の定番とも言える風景は興味深い。


「ねえ、タマ。地方都市って、独特じゃない?」

「そうよね。でも、地方都市と言ったって、いろいろよ」

「観光地じゃないところ。人口50万人以下で、路面電車があって、街の中心を川が流れている城下町なんてのは、どう?」


「ステキ!趣があるわ。その地方の中心都市だっていうところも、ポイントね」

 ちなみに豊橋は、人口約40万人弱。

 理想の地方都市の一つだと言えるかもしれない。


 そんな地方都市で、今日は泊まる。

「ミケコちゃん、本日のお宿は、どちら?」

「良く聞いてくださいました。ジャーン!豊橋公園内にある、吉田城でございます!」

 吉田城は、小ぶりであるが、綺麗なお城だ。

 豊橋の街に良く似合っている。


 チェックインを済ませた後、夕食を食べに出かける二人。

「豊橋名物って、何かしら?」

「ちくわが有名だわね」

 他に、豊橋カレーうどんというのも、人気らしい。


 早速、食べられるお店に入って注文する。

「美味しい!愛情がこもっているわね」

「あら、カレーうどんの下から、とろろご飯が出てきたわ」

 豊橋カレーうどんの条件は、豊橋産のうずら卵を使用するなど、いくつかあるのだが、その中に愛情を持って作ること、という項目がある。


 その夜は、吉田城にて、ゆっくり旅の疲れを癒した二人。

 翌朝もまた、名物を味わうことから始まった。

 豊橋に伝わる伝統的な郷土料理、菜飯田楽なめしでんがくだ。

 大根の葉っぱを混ぜ込んで炊いたご飯に、味噌田楽を合わせたもの。

 もちろん、この辺で味噌と言えば、赤味噌だ。


「大根の葉っぱを混ぜたご飯って、美味しいわね」

「赤味噌の旨みと甘味が、お豆腐にぴったりだわ」

 それを、赤だしの味噌汁とともにいただけば、お腹も心もほかほか満たされる。

「ねえ、タマ。私、味噌汁の具って、味噌の色に比例すると思っているのよ」

「どういうこと?」


「つまり、味噌の色が濃い赤だしの味噌汁には、具も色の濃いものが合うのよ。ワカメとか」

「なるほどね。じゃあ、合わせには?」

「中間色の、なめこ。色の白いジャガイモは、白だしに合うと思うわ」

「豆腐はどうなの?色は白いけど」

「豆腐は何にでも合うのよ」

 好みはいろいろであると思うが。


 さて、吉田城を出立した二人。

 すぐに豊川とよがわにかかる豊橋とよばしに差し掛かった。

 これは豊橋市の地名の由来となった橋。


 この先に出会う、愛知県岡崎市の矢作橋やはぎばし、滋賀県大津市の瀬田せた唐橋からはしと並んで、東海道三大橋の一つである。


 江戸時代は吉田大橋と呼ばれていたこの橋を渡ると、後は西へほぼ真っ直ぐ。

 途中、豊川放水路とJR飯田線の線路を横切って、次の御油ごゆへと続いていく。

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