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東海道五十三次美人OLスキー旅ミケタマ珍道中  作者: いもたると


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金谷

「ふう、何とか大井川を渡ることが出来たわね」

「やれやれよ。本当に、もう」

 あんなことがあっても、旅を止めるわけにはいかない。

 その昔も、大井川を渡るのは、並大抵のことではなかったが、時代が下っても、また別の苦労がある。


 何はともあれ、こんなところでじっとしていも始まらない。

 今日中に掛川まで着かなくては。

 今度は金谷かなや宿を目指して、二人はスキーを滑らせた。

 大井川鉄道本線を越えて、JR金谷駅へ。


 だが、一難去ってまた一難。

 そこで二人を待ち構えていたのは、急な登り坂。

 なぜかゲレンデが緑色にカラーリングしてある。


「まあ、また何かあるの?」と、ミケコ。

「この辺はお茶の産地。それだけよ」とタマコ。

 その通り、この登り坂を越えれば、そこはお茶の名産地として知られる、牧之原だ。

「早く登り切って、お茶で一服するわよ」

「甘いものも、食べたいわ」

 ジェットエンジンを全開にして、急坂を登っていく。


 だが、登り切った先には、二人が期待したような茶店はなかった。

「そろそろ休憩したいんだけど。ねえ、まだなの?」

あいの宿まで、行かないとね」


 間の宿とは、宿場と宿場の間にある、町屋のこと。

 宿間の距離が長いときなどに、お茶屋や旅の装備などを売る店が集まって、一つの宿のようなものとして発展した場所だ。

 宿の保護のため、旅人が宿泊することは禁止されていたが、貴重な補給場所であった。


 牧之原トンネルの上を越えて、道は山あいの地区に入っていく。

 行くことしばらく、やがてようやく、あいの宿・菊川が見えてきた。

 転がり込むようにしてお茶屋に入った二人。


「ふいー、やっとほっと出来るわね」

「ありがたいわ」

 熱い静岡茶を……、と行きたいところだが、今日は道中、すでにさんざん飲んで来ている。


「静岡の人には申し訳ないけど、ここは温かいコーヒーで一服ね」

「私、カフェオレ」

「お供には、東海道チョコレート。抹茶味もあるわよ」

「なんでも有りなのね、弥次喜多グループって」


 スキー板の充電も抜かりなくやっておく。

 しばらくの後、二人は旅を再開。

 暮れかかった峠の道を行くのであった。

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