丸子
昨夜は気持ちのいいお酒を飲み、上機嫌のミケタマの二人である。
朝は駿府城のモーニングで、とある名物をいただいた。
府中の次の宿、丸子宿のとろろ汁である。
『東海道中膝栗毛』にも登場する、由緒正しき逸品だ。
弥次さん喜多さんは、店に入ったはいいが、夫婦喧嘩の真っ最中で、食べれなかったのだが、ミケタマの二人は、バッチリいただく。
「おいしい。朝はこれくらい、サラサラっとしたものがいいわよね」
「栄養満点。これで今日の旅も乗り切るわよ」
「だって、今日は掛川まで行くんだものね」
「大井川も渡るのよね」
腹ごしらえの済んだ二人は、駿府城を出発。
安倍川橋を渡り、丸子宿へ。
十返舎一九膝栗毛の碑を横目に見て、宇津ノ谷へ。
しばらく海沿いの道が続いてきたが、ここからは山道、峠越えだ。
曲がりくねった峠を、右へ左へ、颯爽と滑っていく。
薄暗く細い峠の道も、ミケタマのスキーテクニックにかかれば、お手のものだ。
やがて宇津ノ谷の里に到着。
「元々は、焼津の方を通っていたんだけど、中世以降、峠越えの道が発達したのよ。源頼朝が、この先にある岡部宿を設立したんだって」と、ミケコ。
「ウンチクありがとう、ミケ。でも、そろそろ休憩したいわ」と、タマコ。
茶店に入って、おいしい静岡茶をいただく。
お供には、東海道肉桂サブレ。
ボロボロ地面にこぼれたサブレを狙って、鳩がやってくるのは、お約束だ。
「ごちそうさまー」
「鳩さん、元気でね」
と、おやつの時間が済んだ二人は、次の岡部へと向かうのであった。




