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東海道五十三次美人OLスキー旅ミケタマ珍道中  作者: いもたると


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32/52

府中 その2

「風魔忍法、地縛りの術!」

「ぐわっ!」

 術にかかって、ユラは身動きを封じられる。

 そこをウスオが逃さない。


「早く駿府城に潜入して、ミケタマの入浴シーンをこの目に焼き付けるのだあーっ!」

 と、大変に不純な動機を力に変えて、渾身の力を込めて斬りかかった。

 だが、残念ながら、ミケタマはすでに入浴を終えている。

 そのせいではないだろうが、次の瞬間、ピンチに陥ったのはウスオであった。


「ぬおっ、なんだ、これは!?」

 と、驚いたウスオの胴体には、長い舌が巻き付いていた。

 ユラの忍法、大ガマの術が炸裂。

 大きなカエルに変身して、ウスオを舌に巻いて持ち上げた。


「大ガマとは卑怯なり。これは筑波山であるぞ」

 と、ウスオ。

「ゲハハハ。使えるものは何でも利用するのが忍者である」

 ユラは、大きな口を開けて、ウスオを飲み込もうとする。

「使えるものは何でも使う、か。ならばこれでも受けてみよ」

 ウスオは懐からある物を取り出した。

 筒の先から、何やらニョロニョロと伸びている。


 それを見て慌てるユラ。

「ゲハッ、そ、それは!?」


「さっき、工事現場で拾ったものだが、役に立ってくれるだろう」

「やめろ!お前、それがなんだかわかっているのか!?」

 構わず、ウスオは導火線に火をつけた。

 ジジジジジ……。


 ドーン、ドン、ドン、ドドドド、ドーン!

 ババババ、ババ……。

 一方、こちらは、駿府城の最上階にあるバーで、優雅にお酒を楽しんでいるミケタマの二人。


「あら?静岡じゃ、今夜が花火大会かしら?」

「こんな冬に?変わってるわね」

 防火帯のあるビルの辺り、夜空に綺麗な花火が打ち上がっているのが見えた。


「冬だっていいじゃない。ロマンチックなんだもの」

「そうよね。私、もう一杯飲んじゃおう。ウイスキーのダブル」

「私はトリプル」

「なら、私はトリプルのダブル」

「それじゃ、私はトリプルのトリプル」

「トリプルのトリプルのダブル」

 夜が更けるにつれ、酔いも深まっていく二人であった。

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