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東海道五十三次美人OLスキー旅ミケタマ珍道中  作者: いもたると


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30/52

江尻 その2


 稚児橋を渡って、先に行く二人である。

 やはりバグが起きていると信じ込む二人。

 だが、本来東海道にはバグは起きていない。


 今までのは、一茶がミケタマの気を惹くためにわざと起こした自演自作。

 今のは、弥次喜多グループのライバル企業、十返舎開発が雇った、甲賀忍者・多羅尾ユラが起こしたバグである。


 ユラの計画は、ミケタマに京都三条大橋の擬宝珠を替えさせること。

 そのためには、バグが発生していると、彼女たちに信じ込ませなくてはいけない。

 だから、小さなバグらしきものを、適当に起こすのである。


「よしよし。この調子で京都まで行ってくれれば、こちらのものだ」

 と、陰からこっそり見ていたユラは、ほくそ笑んだ。

 だが、陰と言えば、忘れてはならない。

 この男がいたことを。


「ム!」

 殺気を感じて、身をかわす、ユラ。

 さっきまで彼がいた場所には、十字手裏剣が刺さっていた。

「むう、これは、風魔の者だな」

 さすがに忍者、すぐにわかった。


「えいっ」

 と、気配を感じた方向に、お返しの手裏剣を放つ。


 ドスッと、彼が投げた棒手裏剣は、橋の欄干に突き刺さった。

「ム、逃げたか。しかし、我が手裏剣を逃れるとは、なかなかの腕前だな」

 ひとまず、襲ってくる気配はないので、ユラはミケタマの後を追うことに。


「相手も風魔忍者を雇っていると見える。気をつけねばならぬな」

 さっとどこかに姿をくらます、ユラであった。


 一方、この男は。

「甲賀忍者か。厄介なのが出てきたな」

 ご存知、日影ウスオである。

 この道中、趣味のミケタマの観察をたっぷりしようと、下卑た妄想に胸を膨らませていたのに、飛んだ邪魔が入った。


「一茶などに、俺のミケタマを取られたくはなし。十返舎開発に、東海道を壊されたくもなし。ここは私が彼女たちを守らねばならぬ」

 大変に迷惑な思い込みだが、ミケタマの知らないところで、様々な思い込みが交差することになる。


 一茶は、十返舎開発が雇った風魔忍者から彼女たちを守るという口実で、ミケタマに近づきたい。

 そして二人を自分のものに。


 ユラは、疑われないように適当にバグを起こしつつも、ミケタマに京都まで行ってもらって、三条大橋の擬宝珠を、破壊プログラム入りのものに替えさせたい。


 ウスオは、旅行中のミケタマ観察を楽しみつつ、一茶の邪魔をする。

 また、擬宝珠を替えさせてはいけないし、ユラの存在も、邪魔になるなら倒さねばならない。

 濡れ衣を着せられた風魔忍者の評判も回復させなくては。

 そしてミケタマは、ただ旅を楽しむのみであった。


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