前へ目次 次へ 23/29 原 やがて松林は終わり、原に出る。 「いい景色!松を数えてこの景色を見ないなんて、もったいないわ」 「本当ね。これじゃ天女も、思わず景色に見とれて、羽衣を忘れるわ」 だが、羽衣伝説があるのは、ここではなく、まだもう少し先。 清水の三保の松原だ。 駿河湾を左手に見ながら、気持ちのいい直線を滑っていく。 「キャッホー!」 「キャッホー、キャッホー!」 軽くエンジンをかけるだけで、風を切る。 その日、原の地元の人は、スキーウェアを着た二人の天女が、颯爽と滑っていくのを見たのであった。