表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
東海道五十三次美人OLスキー旅ミケタマ珍道中  作者: いもたると


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

20/27

箱根 その2

 芦ノ湖畔にあるリゾートホテルにチェックイン。

 芦ノ湖名物のワカサギ料理に舌鼓を打つ。

「ワカサギのフライ!ワカサギの天ぷら!ワカサギのかき揚げ!全部美味しい!」

「噛むと、ジュッと出る魚の汁がたまんないわね」

 思う存分、名物を堪能したあとは、露天風呂に浸かる。


 ここからは、湯煙OL酔いどれ紀行だ。

 モウモウとした白い蒸気の向こうに垣間見えるのは、美人二人の若い肌。

「かんぱーい!」

「かんぱーい!」

 湯船におちょうしを浮かべる、憧れのやつ。


「くはー、たまらないわ」

「しみるわねー」

 二人の肌も、桜色に色付いた。

「タマったら、お肌すべすべね」

「いやーん、ミケこそ、すべすべよ」


 外は冷たい冬の空気。

 余計に温泉が温かく感じられる。

 お酒の効果もあいまって、すっかりいい心持ちになった。

 だが、忘れてはならない。

 二人を狙う魔の手があることを!


「何!?」

 と、妖しい視線を感じて、タマコはとっさに手で胸を隠した。

「え、何?どうしたの?」

 と、無防備なミケコだが、長い髪の毛のおかげで胸は隠されている。

「今、何か物音がしたような…!」


「もしかして、痴漢?」

 植え込みの陰にじっと目を凝らす。


 だが、湯気が立ち込め、よく見えない。

 ガサッ、ゴソッ。

 ガサガサガサガサッ!

 物陰から、何かが飛び出してきた!


「きゃあ!」

「きゃああー!」

 パニックに陥りかけた二人。

 だが。


「あ、あら、お猿さん?」と、タマコ。

 飛び出してきたのは、日本猿の一家であった!

 ちゃぽん、ちゃぽんと、お湯の中に飛び込んでいく。

「な、なあーんだ、お猿さんじゃないの。びっくりさせないでよ、もう」と、一安心するミケコだったが。

「変ねえ。何かもっとこう、得体の知れないものを感じたんだけど」と、タマコは首を傾げた。


 結局、心配することではなかったということで、露天風呂を後にした二人。

「あー、酔いが覚めちゃったから、部屋で飲み直しね」

「そうね」

 と、売店に寄ってから部屋に戻った。


 だが、しかし。

 二人が去ったあと、植え込みの陰に隠れていた人物が出てきたのだ!

「ふう、危なかった」

 この人物は誰であろう、若い男だ。

 だが、それ以上のこととなると、この作者の類まれなる描写能力を持ってしても、説明するのが難しい。

 そこの疑わしそうな目をしているキミ、異論は認めないぞ!


 というのも、この男、とんでもなく影が薄いのだ。

 名を、日影ひかげウスオという。

 その名の通り、滅多に人目につかない。

 この世に生を受けてから24年間、ほとんど人に気付かれることなく暮らしてきた。

 なぜそんなの影が薄いのかというと、実はこの男、小田原北条氏に仕えた風魔忍者の末裔なのだ。


 生来持っている影の薄さが風魔忍法と合わさって、ますます影が薄くなった。

 そんな彼だが、なんとミケタマと同じ、弥次喜多グループの社員だ。

 それも日本橋本社勤務。

 奇跡的に入社試験に合格し、ミケタマの同期で入社したのであった。


 だが、彼が普段どんな仕事をしているかというと、何もしていない。

 奇跡的に入社したはいいが、社内でその存在を気付かれることがないため、これまで一つも仕事を命ぜられたことがないのである。


 では普段、何をしているかというと、ミケタマの観察をしている。

 入社式で一目でミケタマのファンになってしまった彼は、それ以来、ミケタマの観察をすることが趣味になった。

 会社にいても他にすることがないため、実質的にミケタマの観察が彼の仕事なのだ!

 いつも得意の忍術を活かして、陰日向からミケタマの二人をジロジロ見ているウスオ。

 今回、二人が冬休みを利用して旅に出るということで、彼も後をつけてきたのだ。

 しかし、そんな彼にも予期せぬ出来事が起こった。


 一茶の陰謀である。

 かわいいミケタマを一茶に取られでもしたら、一大事。

 それだけはさせてなるものかと、一目に付かず活躍してきた。

 何を隠そう、お化け屋敷で一茶が躓いたのは、ウスオの仕業である。

 川崎でロボットたちに手裏剣を投げ、煙幕を使ったのも、ウスオだ。


 また、自家用スノーモービル・お猿のかごやタイプRXを操作して、ミケタマを救ったのもウスオである。

 霊感の強いタマコが感じていたのは、ウスオの存在であったのだ!


 一茶の恐るべき陰謀が進行しているのを知って、ウスオは決めた。

 このまま京都まで、自分がミケタマをお守りしよう、と。

 いやはや、ただのストーカー、いい迷惑である。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ