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第七話

新キャラ追加です。

 第七話


 俺は今日も超低練度低体力ゴミカスパイロットたちを鍛える。


「さっさと走らんかゴミどもぉぉぉ!!!!」

「休んでんじゃねぇぞぉぉぉ!!!!」


 俺たち教官は今カスどもにトラックをランニングさせています。

 ケリー少佐と一緒に走りながら、もやしどもを怒鳴っているんだが…

 途中で追い抜いて三週くらい先行しちゃった☆


「サー!イエス!サー!」

「ハァ…♡ハァ…♡おっきいのが揺れてますぞ♡」

「ハァ…ハァ…死ぬぅ…」

「サー…はぁ…イエスぅ…さー…おえっ…」

「この人たち鬼だぁ……」


 ハイ、元気よくお返事が出来なかった皆はノルマプラス十周ね!

 バレット少尉以外ほぼ全員かよ!ゴミどもめが!

 …なんか一人おかしくない?


「ケ、ケリー少佐がいつになく生き生きとしてらっしゃいますね…」

「ははは…あー…気の合う人がいて嬉しいんでしょうなぁ…」


 このお喋りしてる教官どもは、俺たちに追従して先行してるよ。

 やっぱ教官は伊達じゃないね。

 そういや、ケリー少佐はサリヴァン総司令官が連れて来た人で、元はGISDFの教官だったらしいね。

 どうりで俺の“パイロットは肉体こそが資本論”を理解してくれるわけだ!


 生まれつきの素養で劣ってるならその分正しい努力が要るんだよ?

 俺より素養があるってパイロットがへばってんじゃねぇよ!(妬み)

 俺らになんとかついて来れてる子たちは立派やね。


「五分休憩!息を整え、水分を補給しろ!!!」

「グズグズしとらんでさっさとせんか!!!」


「サー!イエス!サー!」

「走れって怒鳴ったり…休めって怒鳴ったり…どっちだよもう…」

「もう動けねぇよ…」

「ゼェ…ゼェ…死ぬぅ……」

「なんで教官たちは平気なんだ…」

「デュフフフ♡…マクネアー教官の横にぴったりつけて横目で見てましたぞ♡たゆんたゆん揺れるお胸を♡」

「そんな事の為に!?」

「お前…本物の勇者だよ!」


 エロの力ってすげぇなぁ…

 ノルマ三倍ね?


「ハァ…ハァ…クッソ…こんなんじゃダメだ!」


 おっ、なんか真面目に頑張ってる子発見♡

 育てたい♡


 こういうがんばってる年下を見ると限界まで鍛え上げたくなるのよね♡

 …ブレイカースクワッドでは育つ前に逝っちまったからなぁ


 それになんか、戦場で培った俺の本能が反応してるんだよ…

 上位程じゃないけど…ランカーに遭遇した時に感じるものを…

 なんだろうなぁ…見るからに平凡なのに…このモジャモジャそばかす茶マリモくんは…


 こいつが主人公か!?

 見るからにオタクだからラノベとかか!?

 この世界ロボゲーやロボットアニメじゃなくてラノベなんか!?

 なんかチートとかに覚醒する感じ?

 追放ものだったら…大企業のお抱えになって、自分を追放したアルビオン防衛軍に『もう遅い(最後通牒)』しに来るとか!?


 俺の考えている事は馬鹿なことかもしれん…

 だが、俺はこの勘を頼りになんども最前線を生き延びてんだッ!

 間違いなくこいつは“持ってる”人間だッ!

 こいつが『もう遅い』しに来た時に、土下座すれば俺だけでも見逃してくれるようにしなきゃ!


 そうと決まれば訓練後に接触しちゃお♡



 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



「クソッ!こんなんじゃ…こんなんじゃダメだッ!…僕は…死んだ父さんに代わって…必ずこの星系を守るって…誓ったのに……なのにッ!」


 おっ!いたいた!

 うーわ…早速めちゃくちゃやってるよ…

 あんなんじゃ単なる自傷行為で、自己研鑽にはならない…部屋で教本読んでる方がよっぽどマシだよ…


 止めなきゃヤバいかもなぁ…


「…そうだッ!強化人間になればいいんだッ!20%の確率でこんな僕でも超人になれるッ!見ててよ…父さん!母さん!僕が必ず弟や妹を守るからッ!!!」


 止めなきゃヤバい(確信)


「それはやめておけ」

「ッ!?ギャレット最先任上級曹長…!?な、なんでここに?」


 めっちゃきょどってるじゃん…

 まぁ、そりゃあ教官に強化人間になるとか言ってるとこみられてるんだしなぁ…


「言っておくが…仮に強化人間になれても、地力が伴わなければ意味はない」

「……」


 実際、俺たちは戦場で何人も強化人間を血祭りに上げてるしな…

 ぶっちゃけ、凡人が強化人間になっても、なんか反射神経が良くてGに強い凡人ができるだけなんだよなぁ…

 努力しないで強くなれるわけねーだろ!

 それも正しい方向性の努力な!お前のはおもっくそ間違ってんの!


「…ゃぁ…じゃあ!僕にどうしろって言うんですか!」

「どれだけ努力しても頭打ちで、これ以上の成長が見込めない!それでどうしろって言うんですかッ!!!」


 まず大人しく帰って寝ろ。

 俺ら教官はお前らを限界まで追い込んでんの。

 わかる?それ以上はオーバーワークなの!オーバーワーク!!!

 トレーニングには休息が不可欠だろうが!!!

 …そういや、この世界ってその辺の知識も一般に知られてない?


 いや、それでもおかしくないぞ?

 この前一緒に飲みに行った養成所の教官が、候補生のほとんどが四則計算から教えなきゃいけないとかぼやいてたっけ…


 この世界マジで教育格差が終わってんのな…


 俺が重宝される訳だわ…

 栄養学とかトレーニングに関する理論とかあんまり浸透してないもんな!

 ケリー少佐は、その辺めっちゃ詳しかったし、他の教官もケリー少佐程じゃないけどちゃんと理解はあったしねぇ…


「まず、最初に言っておく。君がやっているのはトレーニングの体を成していない。明らかなオーバーワークだ」

「それでは強くなるどころか、翌日のパフォーマンスに悪影響を及ぼすだけで終わる。それが常態化すれば、いずれは疲労の蓄積で怪我をするだろうな」

「俺たち教官は、お前らをギリギリ限界まで追い込んだ。だから、強くなりたければまずは休め!取れるときに、休息をきちんと取れなければ、一人前の軍人ではない」


 いつも言ってるだろ?

 最近の子はなんで言う事を聞かないのかね?

 義務教育すら受けれてないのばっかだからかな?

 そんな子たちに短期間で詰め込んでるのが不味かったのかな?

 マジでSFの世界なのに、平均的な学力は前世の日本より低そうなんだよなァ…


 下士官養成所で、前世大卒だっただけの俺が元々のジャック・ギャレットのスペック込みで考えても、普通あり得ないのに首席だったくらいだしなぁ…

 周りは微分積分どころか、四則計算からやってるし…

 政治や経済の講義でも政府や大企業に肯定的な事しか教官は言わなかったし…

 その癖、SAFとかの関する機械工学に関する知識や教育は、どういうわけクソほどしっかりとやってる…


 …これ意図的にやってる?

 でも、政治や経済について“以外”の知識や論文は得ようと思えば、一般人でも得られなくもないし…

 政治や経済に関しての論文や書籍などの閲覧はなんか色々と条件があったような…

 GISDF時代に図書館へ行ったとき、俺は軍人で階級が下士官以上だったから、持ち出し厳禁とか条件付きでギリとかだったような…

 その時は教官になろうと思ってるから、その試験に受かるための勉強だって言ったんだっけ?


 うん、完全に意図してやってるね。

 政府や企業に都合のいいように、意図的に階級ごとに与える情報や知識を絞ってね?

 あんまり突っ込むと俺の身が危なそうだから口にはしないでおこう。

 無知は罪なのに知りすぎる事も罪って酷いよね?全部上の匙加減でボーダーライン変わるんだぜ?

 それよりこのガンギマリそばかすマリモくんだ…


「でも…僕はまだやれます!」


 やれねぇって言ってんの!

 お前の脳が、“エンドルフィン”とか色々分泌してるからハイになってるだけで、体は既に疲れ切ってんの!

 休め馬鹿!


「いや、既に限界だ。先ほどから見ていたが、明らかにパフォーマンスが落ちている。それは君の体が既に限界だと訴えかけている証拠だ」

「高強度の運動の後、疲れを感じていないのにパフォーマンスが落ちているのは、脳がエンドルフィンなどを分泌し、疲れを感じにくくさせているからだ。要はただ脳内麻薬がまだ動けると錯覚させているだけにすぎない」

「我々が今まで口頭で言ってきていた事…それが今君の直面している状況だ」


 あー…マリモくんポカンとしてるよ…

 やっぱ口頭で言ってもわかんねぇよな…

 日本だと小中である程度教えられてから自衛隊行くからなぁ…

 マジで、義務教育すっ飛ばして下士官としての教育を施すって、かなりの無茶なんじゃね?


 よし、とりあえずこういう時は話を逸らすに限る!

 どうせこんなになるまで、トレーニングと称した自傷行為を続けるパープリンだし、今の状態じゃ頭働かんだろうし…ま、バレへんやろ。

 えーと…このマリモボーイの名前は…なんかラノベの登場人物っぽい、この辺じゃあんまり見ねぇ名前だったような…

 確か…そう!


「ユーマ・シドウ伍長、なぜ君はそんなにも力を求めるんだ?」

「先ほど君が言っていた家族のことになにか関係があるのか?」


 あー…そうそう…なんかこいつだけ欧米の名前っぽくないから憶えてたんだよね…

 なんかこの辺は欧米人みたいな名前が多いんだよなぁ…

 日本みたいな文化圏の星系もあるのかな?

 …サイバーパンクなコレジャナイ感ある日本になってそう


「実は…僕の父さんは防衛隊ができる前の警備隊にいたんです」


 おっ!上手くいった!

 自分が語りし始めたな!


「サリヴァン総司令官が来る一年前、父さんは海賊と戦って戦死してしまったんです…」

「父さんの遺族年金と、母さんが必死に働いてくれたお陰で、僕と兄弟たちは学校にも通う事ができていました」


 それであの様?頭の出来は良くないみたいだね

 しかし、学校行ってる時点でこいつは中流家庭確定だろうに…

 なんでああなってんの?


「でも、母さんは僕たちの学費を稼ぐために必死で働いていたせいで…無理が祟って病気になってしまい、そのまま帰らぬ人になりました…」


 おおう…まぁ、学校の学費糞高いからねぇ…

 それこそ、中流階級以上じゃなきゃ小学校にも入れられないくらい。

 で、あれかな?家族を養うために学校辞めて防衛軍に来たのかな?

 彼は出世しなきゃいけないのに、出世の見込みがないと思って荒れてるのかな?


「母さんの治療費や入院費はとても高額でした…それこそ、父さんの遺族年金はそのために使わなきゃいけなくなるほどに…」

「それで、僕は学校を辞め、防衛軍に入りました。弟や妹の生活費と学費を稼ぐために」


 まぁ、この世界で軍に入るやつは大体そうだよな。

 後は、学校にいけないような層が、勉強するために軍に入るってケースもある。


「そして、なによりも…父さんとの約束があるんです…この星系を守るという約束が」

「そして、母さんが死んだ後、僕は父さんに代わってこの星系を守るって誓ったんです」

「僕たちみたいな人を増やさないって。必ず、家族は僕が守り抜くって」


 ああ、それがさっき言ってた誓ったのにってやつね。

 なんとまぁ…ありきたりで面白みのない…

 マクネアー大尉の胸を横目で凝視しながら走ってる奴のが面白そう。

 なんで俺はこいつ相手に、ランカーと相対したときみたいな感覚を感じたんだ?


「それが…君の防衛軍に入った理由か」

「はい、幸いにも僕には平均の倍のQBRCがあったので、SAFパイロットになれば僕が普通に働くより稼げます。それに、僕に何かあっても家族に遺族年金が支払われるので」


 頭は恐ろしく足りないが、中々の家族思いじゃないか…

 決めたぞ!シドウ伍長は死ぬほど鍛え上げてあげよう!

 頭も!体も!操縦技術も!

 ブレイカースクワッド流だけどな!

 見込み違いなら普通に見捨てるけどな。


「うむ、なるほどな。君がこれほどまでに力を求める理由はわかった。だが、安易に強化人間になろうとするのは頂けないな」

「でも!」


 でもじゃねぇよ。

 お前が死んだとき、お前の家族は両親だけでなく兄貴まで失う事になるが?

 やっぱ、思慮が足りないね。


「もし、君が強化人間になれなかったら、残された君の家族は誰が守るんだ?」

「そ、それは…」


 はい、やっぱり何にも考えてない。

 この辺も是正しないとな…

 全く…QBRCが倍もあるなら、体を鍛えて操縦技術を磨けば下位ランカーくらいなら目じゃないんだが?

 やっぱあれだな。こいつはエースである俺が導かなきゃダメだな!

 今にバレット少尉みたいな多少はマシな動きが出来るようになるぞ!


「伸び悩んで焦る気持ちもわかるさ…私もそうだったからな…」

「ギャレット最先任上級曹長が!?」


 模試のね…志望校の判定がね…全然良くならないの…

 成績が…学力が伸び悩んでるの…

 前世の事を思い出すと胃が痛くなるなぁ…

 やっぱ、この体はエースになれるだけあって、元の俺よりハイスペックなんだよなぁ…(泣)


「さぁ、今はもう休め。体を壊しては元も子もないぞ。君がすべきことは体を正しい方法で鍛え、操縦技術を磨き上げることだ」

「し、しかし…」


 まだ言うか!英雄様の言うこと聞けねぇとかふざけんじゃねぇぞ!

 てめぇ…マジでギリギリ限界まで絞って、どこに出しても恥ずかしくない精鋭にしてやるから覚悟しとけ?

 どんなに辛くても辞めさせないし、どんな嫌でも辞めさせないし、どんなに苦しくても辞めさせないからなぁ…

 最先任上級曹長様の言う事は絶対なんだよッ!(パワハラ)


「そうだ、これを渡しておこう」

「これは…?」


「私のメッセージボックスのアドレスだ」

「え゛!?」


「トレーニングの仕方などで相談があったら私に連絡してくれ。できる限り時間を作ろう」

「あ、ありがとうございます!」


 出来る限り(俺の仕事とやる気次第)


「そうだ…今週末になにか予定はあるかな?」

「い、いえ!ありません!」


 だろうな!お前みたいな、見るからに彼女も友達もいなそうな陰キャには、そんな予定なんかあるわけねぇよな!

 お前みたいなのは、周りの連中は遊びに行ったりしてるのに、自分は家から一歩も出ずにスマホやパソコン弄って時間を浪費するだけなんだよ!

 ありがとうアダム(養成所の同室)…

 お前がいなかったら、俺は今世でもそうなってたよ…


 あいつ今もGISDFにいるんだよなぁ…

 俺のアルビオン防衛軍への就職(内々定)祝いで一緒に飲みに行った以来あってねぇなぁ…

 今あいつは、カナイソク星系って辺境も辺境の星系に左遷されて、マジで何にもないとこだって、メッセージでぼやいてるんだよねぇ…


「では、シュミレータールームを一つ抑えてある。そこで、バレット少尉やコールリッジ伍長と一緒に、私が操縦技術を叩き込んでやる」

「あ、ありがとうございます!ギャレット最先任上級曹長!」


 元気がいいね!いつまで持つかな?



 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



『足を止めんなって言ってるだろうがァァァ!!!!』


『はいぃぃ!!!…う゛、う゛わ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛』


『ブースターを吹かせって意味だ馬鹿ッ!!!ミサイルを徒歩で避けようとする者がどこにいるッ!!!!!』



 シミュレータールームに響く怒声。

 その主はもちろん、ジャック・ギャレット最先任上級曹長だ。


「うわぁ…やっぱ最先任上級曹長は訓練だと人が変わりますね……普段はあんなに素敵なのに…」


 コールリッジ伍長はそう言って苦笑いした。


 バレット少尉は、そんなコールリッジ伍長に腕組みをしながら首を横に振り、笑いながら口を開いた。

 まるで、“わかってないなぁ…”と言わんばかりの態度である。


「最先任上級曹長はとても心優しい方だ。あれだけ熱心にやってるのは、彼に戦場で死んでほしくないからさ」

「あの人はブレイカースクワッド時代に何度も生死を彷徨ってきた。彼のあの凄まじい強さはその死の淵で培ったものだ…それを本物の地獄を見ずに、その生き延びるための技術や経験を会得できるよう、心を砕いてくださっている…」

「おかげで、俺も何度か命拾いしてる…感謝してもしきれないさ」


 バレット少尉は敬意の籠った目で、怒声が聞こえてくるシミュレーターポッドを見つめる。

 そんな彼の言葉にコールリッジ伍長は静かに頷いた。


「そうですね…彼はいつも私たちに合わせて色々課題を出してくれますし…」

(そっか…ギャレット最先任上級曹長は最前線で何人も戦友を失ってる…)

(それで、私たちが死なないように…こうやって…)


 彼女は鬼教官と化したギャレットの中のやさしさについて思いをはせる。


 すると、音を立てて密閉されていたシミュレーターの扉が開いた。


「…ぁりぃぁとう…ごぁ…ぃまぃ…ぁ」

「ああ、おつかれ!」


 息も絶え絶えでふらふらと出て来るユーマ・シドウ。

 もはや“ありがとうございました”とすら言えていない。

 それとは対照的に、微塵も疲れの色を見せずにジャック・ギャレットが出て来る。


「ふぅ…中々良くなったじゃないか!」

「…ハァ…ハァ…本当…ですか?……全然強くなれた実感ないです…」


「そりゃ、君の上達に合わせてギアを上げてるからね!本気の俺を相手に戦えるようになったら、余裕でランカーになれるぞ!」

「ぇぇぇぇ…」


 そんな二人の様子を見て、若干顔を青くしたコールリッジ伍長は思った。


(いや、最先任上級曹長は普通にちょっとSかもしれない!?)


 そんな風に考えながらも、彼女はクーラーボックスの中のスポーツドリンクを二人に手渡す。


「どうぞ」

「おお。ありがとう、コールリッジ伍長」

「ハァ…ハァ…あり…ゲホッ…がとう…ございます…」


 ギャレットは、手渡されたドリンクを一口飲み、のどを潤すとバレット少尉とコールリッジ伍長を見て言った。


「よし、次は誰だったかな?」


 その問いに、バレット少尉は元気よく答えた。


「はい!自分です!」


 そんな彼の様子にギャレットは満面の笑みを浮かべる。

 自分の指導を見て、委縮するどころか元気よく次は自分だと名乗りを上げたからである。

 二人はシミュレーターの中へ入って行く。


「よし!じゃあ今度はバレット少尉だな!」

「よろしくお願いします!」


 シミュレーターの扉が閉まり、数秒後。


『う゛わ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!?』


『不用意に近づいてんじゃねぇぞォ!!!!』


 再び悲鳴と怒声が聞こえ始めた。


「やっぱあの人ちょっとSよね…」


 コールリッジ伍長は苦笑いしながらそう言った。


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